福祉業界で働いていると、同じような職場を転々としている人っていますよね。転職は悪いことではありませんが、短期間で職場を変え続ける背景には課題がありそうです。
そんな人を見ていると、「なぜ違う仕事に変えずに、同じ業界の中で転職を繰り返すんだろう?」と考える人もいると思います。
この記事では、社会福祉士として働く筆者の経験を基に、福祉業界の中で転職を繰り返す人の特徴と、安易な転職をしないための対策を10選紹介していきます。
- 仕事に対する理想が高い
- 周囲への不満が多い
- 「もう無理」と諦めやすい
- 福祉の求人はいくらでもあると思っている
- 自分の思い通りに仕事を進めたい
- 自分に期待している
- 割り切って働くことができない
- 転職はステップアップだと言い訳する
- 仕事のストレスを発散できていない
- 辛いことばかりに目に入ってしまう
仕事に対する理想が高い
よく転職をする人の特徴として、業務上の無駄を嫌ったり、「意味がない」と感じることに対して、すぐに変えたがったりするなど、理想が高めの人がいます。
福祉業界では営利だけを求めるわけではないので、非効率的なことも時にはしなければならない面もありますよね。
理想を求めて仕事をすること素晴らしいのですが、その思いが強すぎると、周囲の人に対して配慮ができないことがあります。
例えば、周囲の同僚たちはAのやり方でずっとやってきたので、慣れているやり方の方がスムーズにできるのに、無駄が多いと言ってすぐにBのやり方に変えたがるなどです。
現実的にすぐに変えることは難しくても、理論的に責め立て、理解を示そうとしない傾向があります。そうすると、だんだん周囲との不和が生じてしまいます。少しずつでも良いから変えていこうとすることで、妥協点を見出だせるといいですね。
周囲への不満が多い
転職を繰り返す人の中には、一緒に働く人たちに対する不満が多いことがあります。上司に対しても、「もっとこういう働き方にするべきだ」とか、「人手が足りないのは法人の努力不足」など、批判を浴びせることがあります。
周囲への不満が溜まっていってしまうと、職場に見切りをつけて次の仕事を探したがるという特性を持っています。
周りの人は自分と同じ考え方をするとは限らないということを、意識できるようになると、幾分緩和されるでしょう。
どんなに仕事ができたとしても、周囲への配慮も忘れずに働ける大人になりたいものですね。
「もう無理」と諦めやすい
転職を繰り返す人の中には、職場への不満が溜まると、「ここの職場にいても意味がない」などと、すぐに見切りをつけてしまうことがあります。
確かに職場の環境をすぐに変えることは難しいですし、思い通りにいかないことも多いでしょう。しかし、みんな理想と現実の中で折り合いをつけながら働いています。
転職をしたがる人の中には、「すぐに変わらないなら別の職場に行く」という発想になり、同じ職場で働き続けることをすぐに諦めてしまうケースがあります。
もう少し長い目線で働いていると、法人や職場環境にも変化が現れることもあるのですが、やや飽きっぽい性格なのかもしれません。
福祉の求人はいくらでもあると思っている
福祉業界で長く働いていると、業界の事情にも詳しくなります。福祉業界で転職を繰り返す人の中には、「どこも人手不足なんだから、仕事はいくらでもあるはず」と思っている人が多いです。
確かにどこの地域でも求人は出ていますし、待遇を選ばなければすぐに次の仕事に就くことも可能でしょう。
ただ、年齢が上がっていくごとに転職は厳しくなっていくという現実も受け止める必要があります。若いうちは何度も転職してもすぐに仕事が見つかったという成功体験があるため、年齢を重ねても転職ができると思い込んでしまうのかもしれません。
短期間で転職を重ねると、面接でも「なぜ転職したのですか?」「うちでは長く働けますか?」と質問されることもあります。転職を繰り返すことが、次の転職で不利になるということも忘れないようにしたいですね。
自分の思い通りに仕事を進めたい
福祉の仕事はチームで働くことが多いので、周囲との協調性も重要になってきます。
しかし、転職を繰り返す人の中には、自分にやりたい仕事が回ってこなかったり、誰かがミスを重ねたりすると、不満に感じてしまうことが多いようです。
チームで働くことが苦手な人は、そもそも介護や就労支援など、直接支援の現場にはあまり向いていないのかもしれません。
チームで働くことが苦手なのは悪いことではなく、向き不向きがあると捉えた方が良いでしょう。福祉の仕事の中でも、個人プレーで働くことができ、自分自身の力を発揮できる場所に変えた方が良いかもしれません。
福祉業界で個人プレーで働ける職種は、相談支援の仕事がオススメです。相談支援であれば、各相談員がそれぞれケースを受け持ち、自分のペースで働くことができるのでストレスも減り、長く働くことができるでしょう。
自分に期待している
転職を繰り返す人の中には、人にもよりますが、「自分はもっと良い待遇で働けるはず」と期待している側面があります。
もともと求人を見て待遇面に関しても理解して就職しているはずなのですが、実際に福祉業界で働いてみて、仕事の大変さや責任の重さに対して、給料が見合わないと感じてしまうようです。
同じくらい大変な思いをするのであれば、給料の高い職場に変えようと思い、転職活動を始めます。
しかし実際には、同じ職場で長く働いた方が、昇給したり、正社員登用されたりするなど、待遇が改善される場合もあります。転職活動を始める前に良く考えた法が良いかもしれませんね。
割り切って働くことができない
どこの職場に行っても、すべてが思い通りに行く可能性はほとんどないでしょう。しかし、転職を繰り返す人の中には、理想が高かったり、妥協するのが苦手だったりするため、うまくいかないことを周囲のせいにして、不満が多い傾向にあります。
仕事のことを大事に思っているからこそ、職場に対しても期待してしまうのかもしれません。
職場や会社に依存せず、「まぁこんなもんだろう」と開き直ったり、良い意味で割り切って働くことも時には必要になります。
福祉業界の待遇面に不満がある場合は、転職することも一つの手ではありますが、副業を解禁してもらったり、フリマアプリで不用品を売るなど、本業以外で収入を増やすことも検討してみましょう。
転職はステップアップだと言い訳する
福祉業界は人手不足が慢性化しているため、他の職場の求人を眺めていると、良い面がアピールされていることが多いです。
そのため転職活動を始めると、なんとなく自分がステップアップできるような気がしてくることもあります。
引っ越しすると、より良い生活を始めることができる気がするのと似ていますね。
ただ、転職するのは福祉業界の職場に不満がある時よりも、本当に何かやり遂げたいことがある時の方が上手くいくでしょう。
転職活動は本当の意味でステップアップになるのか、よく考えてからの方が良さそうです。
仕事のストレスを発散できていない
どんな仕事にも大変なことはありますが、仕事でのストレスを上手に発散することができていないと、別の職場に行きたいという気持ちが湧いてくることがあります。
特に福祉の仕事は対人援助の仕事なので、ストレスもたまりやすい職種と言えます。
仕事上の問題を解決するというよりも、休日を充実させることによって、「今の職場でうまくやっていこう」と思えるようになる場合もあります。
ストレス発散のために散財してしまうと、生活に支障が出てしまいかねません。無料で楽しめる趣味を見つけることが、生活を充実させる秘訣になるかもしれませんね。
辛いことばかりに目に入ってしまう
仕事では楽しいことや達成感を感じる場面もあるはずですが、辛いことばかりが印象に残ってしまうと、転職したくなる傾向にあるでしょう。
長く仕事を続けられる人は、その日にあった出来事を振り返り、悪いことだけではなく、良いことも思い出して、次の日の糧にすることができます。
良いことを思い出せると、福祉の仕事でしか味わえない醍醐味を感じることもできるようになるでしょう。
嫌なことはメモに書き出すことによって、ストレスを発散させることもおすすめです。
この記事では、福祉業界の中で転職を短期間で繰り返してしまう人の特徴について、解説してきました。
別の職場に移ってステップアップできるのであれば、転職は良いことですが、消極的な理由から「仕事迷子」に陥ってしまっている人も少なくありません。社会的にも、終身雇用制が崩れ、以前よりも転職は簡単にできる土壌が整っています。
今の職場での働き方を振り返ってみて、「やっぱりどうしても転職するべきだ」と思ったら、一歩踏み出してみると良いと思います。
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