相談支援のケース会議・ケア会議の違い、メリット・デメリットを解説

相談支援

相談支援専門員やケアマネージャーなど、相談支援の仕事をしている方の中には、ケース会議・ケア会議を開きたいけど、どちらを開くべきか迷っている人もいると思います。この記事ではそれぞれのメリット・デメリットを解説し、「ケース会議とケア会議の違いは?」「ケア会議の意義は?」という疑問に答えていきます。

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目次
  1. ケース会議・ケア会議の意義って?何のために開くの?
  2. ケース会議とケア会議の違いは?
  3. ケース会議のメリットは?
  4. ケース会議のデメリットは?
  5. 目的と結論がちぐはぐになってしまった時の対策は?
  6. ケア会議のメリットは?
  7. ケア会議のデメリットは?
  8. 話し合いが平行線になったらどうする?
  9. それぞれの会議の特徴を把握しながら開催することが大切
  10. ケース会議かケア会議か迷った時はどうする?

ケース会議・ケア会議の意義って?何のために開くの?

医療・福祉の仕事をしていると、ケース会議やケア会議に参加したことは無くても、言葉くらいは聞いたことがあるという方が圧倒的に多いかと思います。

ケース会議・ケア会議は、特定の利用者さんのことをテーマとして取り上げ、今後の方針を決めるために開きます。

ケース会議・ケア会議を開くことによって、支援者が抱えていた「これからこの利用者さんをどう支援していこう?」という悩みがスッキリすることもあります。

会議によってすぐに解決に至らなくても、関係機関が情報共有することによって、1人で問題を抱え込まずに済むという効果もあります。ケース会議・ケア会議は必ず定期的に開かなければいけないというルールはありません。開催時期やタイミングについては、ご本人やご家族、支援者の判断となります。

ケース会議とケア会議の違いは?

ケース会議・ケア会議は似たような意味で使われることがあり、実際に福祉の現場でも混同して使っている方もいます。

厳密には、ケース会議は支援者のみで開く会議のことです。

ケア会議は、ケース会議と違い、ご本人やご家族も交えて今後の方針について、意見を聞きながら進めていく会議のことです。

紙の資料を準備するパターンや、全く資料を用意せずホワイトボードを使って課題を整理する「野中式ケース検討」など、色々なやり方があります。やり方が分からないまま無理をして「○○方式でやろう」と意気込むよりは、自分たちがやりやすいと思った方法で、まずは開催してみることが良いでしょう。

相談支援専門員がケース会議・ケア会議を開く時のポイント10選を紹介 https://fukushilabo.com/kaigi-pointo10/

ケース会議のメリットは?

ケース会議のメリットとしては、支援者のみで開かれるので、ご本人の目の前では言いにくいことや、現状を率直に情報共有することができるという点です。

例えば、最近ご本人がお金を使いすぎていて、貯金が減っているということがテーマだったとします。会議の趣旨としては、お金を節約する方法や、金銭管理の方法について話し合いたいので、ご本人の希望とはそぐわないことも、アイディアとして出てくるでしょう。

支援者の考えをご本人の前で伝えてしまうと、ご本人が否定したり、激高したりしてしまう可能性があります。

そういう時は、支援者だけで話し合った方がスムーズに進む場合があります

 ケース会議のデメリットは?

ケース会議のデメリットとしては、ご本人がいないため、話し合いが日ごろ接している支援者の考えや、想像で議論が進むという点です。

お金を使いすぎているという事例で考えると、実際には利用者さんは自分で節約することは難しいのにも関わらず、ケース会議では、「なるべく高価なものは買わないよう我慢する」という結論になったりします。そもそも、高価なものをたくさん買ってしまうという特性があるからこそ、ケース会議を開いているのに、目的と結論がちぐはぐになってしまうのです。

目的と結論がちぐはぐになってしまった時の対策は?

ケース会議では、ご本人の希望や考え、特性を無視しないように十分注意することが必要です。

もしも、会議の結論が利用者さんの希望と違う方向性に行ってしまいそうになったら、現状を客観的に見て、「現実的には、それは難しいのではないのか?」と、投げかけてみましょう。支援者の思いだけで会議が進んでしまっているところに、ブレーキをかけることができます。

ただし、自由に議論することも大切なので、せっかく出してくれたアイディアを頭ごなしに否定するような言い方は控えます。意見を否定されたことがトラウマとなり、次回以降の会議に来てくれなくなるということもあり得ます。あくまで、多様な意見を尊重する雰囲気を大切にしましょう。


ケア会議のメリットは?

ケア会議のメリットは、ご本人の意見を尊重しながら会議を進めるので、うまくいけばご本人の納得感が強く、ご本人のやる気を引き出すことができる場合もあります。

例えば、これから1人暮らしを始める利用者さんの生活支援がテーマだった時、どんな生活にしていきたいかや、どんな点に注意するかなどについて話し合います。会議で話し合うことによって、ご本人も「1人暮らしは大変なこともありそうだけど、頑張るぞ」と、意欲的になる場合もあります。

このように、会議のテーマが前向きな内容で、且つ、ご本人の希望通りに進むことが多いと予想される場合は、とんとん拍子で進んでいくので、会議を開いた達成感も大きいでしょう。

ケア会議のデメリットは?

デメリットとしては、ご本人の意見と支援者の意見が対立することがあり、話し合いが平行線で終わる可能性も大いにあるということです。その場合、長時間にわたって議論を尽くしたにもかかわらず、徒労に終わるということもあります。

会議のテーマがご本人の生活上の課題である場合は、しばしばこのパターンが当てはまります。例えば、お金の使い過ぎがテーマだった時、支援者がいくら具体的なアドバイスをしても、ご本人が強い拒否感を示す場合などです。

話し合いが平行線になったらどうする?

議論が長時間に及び、平行線のままの場合は、支援者側から条件を提示しても良いと思います。例えば、「お金を使いすぎて預金がなくなってしまったら、1人暮らしの継続は難しいのではないか?」といったことが考えられます。少し厳しい意見に聞こえるかもしれませんが、現実をいったん突き付けて、ご本人に問題に向き合ってもらうことが大切です。

また、会議でこれ以上話し合っても、成果が出なさそうだと判断した場合は、結論が出ていなくても会議をいったん打ち切ることも手です。

利用者さんご本人が一度頭を覚ますための時間を作るためです。

その場合は、次回の日程を決めたうえで、自分1人になって考えるよう伝えましょう。

それぞれの会議の特徴を把握しながら開催することが大切

この記事では、ケース会議とケア会議の違い、それぞれのメリット・デメリットについて解説してきました。利用者さんの課題を解決する上で、何か参考になったことはあったでしょうか?

それぞでの会議の特徴を把握しながら、「今回、ケース会議を開いたらどんな風になるだろう?」と、想像してみると良いでしょう。

ケース会議かケア会議か迷った時はどうする?

それぞれの会議のメリット・デメリットは理解できたものの、初めて会議を開く時は、やはり本人を入れた方が良いのかどうか、迷うこともあると思います。

そんな時は、会議の参加予定者の中でベテランの支援員や相談員に、どちらが良いか、相談してみると良いでしょう。

1人で会議を取り仕切ることは負担が大きく感じても、誰かに頼りながらやっていけば、何とかなるものです。

慣れていけばコツをつかんでくると思いますので、地道に取り組んでいってみましょう。

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