ケース会議・ケア会議はどんな時に開く?タイミング10選と意義を解説!

相談支援

相談支援専門員やケアマネージャーなど相談支援の分野で働いている人の中には、「ケア会議をいつのタイミングで開いたら良いか?」と迷っている人もいると思います。筆者も相談員1年目の頃はタイミングを逸してしまった経験があるので、よく分かります。

この記事では、「ケア会議を開くことの意義は?」という疑問にも答えていきます。

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目次
  • ケース会議・ケア会議を開く時のタイミングとは?
  • 1,支援の方向性が定まらない時
  • 2,数多くの事業所が関わっていて情報共有したい時
  • 3,支援の負担が1人の支援者に偏っている時
  • 4,ご本人の希望と現実が合致していない時
  • 5,生活上の新たな課題が出てきた時
  • 6,ご本人の状態が不安定な時
  • 7,ご本人やご家族が希望した時
  • 8,支援者同士で考え方や方針が異なっている時
  • 9,生活状況に大きな変化があった時
  • 10,支援者だけでは決められず、家族も呼んだ方が良いと判断した時
  • ケース会議・ケア会議は支援者のためにもなる

ケース会議・ケア会議を開く時のタイミングとは?

ケース会議やケア会議は、特段いつ行わなければならないと制度上、決められているものではありません。

そのため、支援者が必要と判断したとき、各福祉事業所や病院、市役所など関係機関の担当者を集めます。相談支援の仕事をしていると、自分の判断で支援の方向性を決める機会を逃してしまわないか、不安になることもあると思います。

ここからは、具体的にどんな時に開催するべきか、具体的に10個の事例を紹介していきます。

(1)  支援の方向性が定まらない時

まず、利用者さんの支援に関して、どのように支援していくべきか、方向性が今一つはっきりしていない時に、開催するべきです。

関係機関が情報共有することによって、方向性を定めることがケース会議・ケア会議の目的だからです。

例えば、支援する関係機関が複数あり、方針が分かれていたり、きちんと共有できていなかったりする時です。利用者さんの希望に対して、賛同している支援者と、そうでない支援者がいる時なども当てはまります。

(2)  数多くの事業所が関わっていて情報共有したい時

ヘルパー事業所、相談支援事業所、就労支援事業所など、1人の利用者さんに対して、数多くの事業所が関わるようになると、情報共有することが難しくなってきます。別の事業所に勤めていると、普段からなかなか会う機会がありません。電話連絡だけだと、細かいところまで伝わらない場合もあります。

利用者さんが不調になった時や落ち着かない時など、緊急でなくても情報共有したい時に、ケース会議・ケア会議を開きます。

(3)  支援の負担が1人の支援者に偏っている時

困難ケースの支援で、複数の支援者が関わっていたとしても、いつの間にか1人の支援員に負担が偏っているということはよくあることです。

たまたまその人のスケジュールが空いていたので行ってもらったり、新人で、一生懸命訪問しているうちに、その人が訪問する回数が増えてしまったり…ということがあるのです。

そうなると、負担が重くなってきたときに支援者が疲弊してしまう場合があります。長く支援を続けるために、支援の偏りを修正するために、ケース会議を開くことがあります。

(4)  ご本人の希望と現実が合致していない時

ご本人の希望と現実が合致していないことは、よく起こりえます。例えば、状態が安定していない段階で今すぐ一般企業に就職したいといったことや、1人暮らししたいといったことなどが挙げられます。

支援者としてはご本人の話を聞きながらも、希望通り進めるわけにはいかないので、ご本人を含めてもう一度、目標設定について話し合う必要があります。現実的な路線で妥協点を探っていきましょう。

(5)  生活上の新たな課題が出てきた時

地域で生活をしていると、利用者さんには様々な課題が浮上してきます。例えば自由に使える1か月分のお金を1日で使い切ってしまう方もいます。

落ち着いて地域で生活を送れるよう立て直しをするために、会議を開くことがあります。場合によっては医療機関のワーカーにも入ってもらい、通院頻度を増やしてもらうこともあります。

(6)  ご本人の状態が不安定な時

ご本人が精神的に落ち着かないと、色々なトラブルに巻き込まれることがあります。警察のお世話になるなど、周囲にも迷惑が掛かってしまうこともあるため、落ち着けるようにするために会議を開く場合もあります。

この場合、就労支援事業所を利用している場合、事業所の職員にも入ってもらい、日中の様子を報告してもらうことが大切になってきます。

(7)  ご本人やご家族が希望した時

支援者が特に会議の開催を必要と考えていなくても、ご本人やご家族から、改めて情報を共有してほしいと希望される場合があります。

なぜ会議を開きたいのか聞いたうえで、開催することがあります。会議というよりも、ご家族の訴えを支援者みんなで聞く会にしても良い場合もあります。

いずれにしても、ご家族が支援体制について心配されている場合は、不安を取り除いてあげるようにすることが大切になります。

(8)  支援者同士で考え方や方針が異なっている時

支援者の中でも、個々人によって考え方が異なることはよくあります。

例えば、多少無理をしてでも利用者さんの希望を最大限叶えてあげたいと考える人もいれば、あまり無理をしない方が良いと考える人もいます。

また、利用者さんが地域で暮らしていればたまにトラブルがあっても致し方ないと考える人もいれば、なるべく、トラブルは起こさないでほしいと思う人もいます。同じ法人で勤務していても、支援者によって考え方はまちまちです。

考え方の違いから、支援方針の違いに発展していくこともあります。

考え方が違うのは悪いことではありません。むしろ当たり前のことです

支援方針が異なることによって、何かひずみが発生するようになった時に、ケース会議やケア会議が必要になります。

(9)  生活状況に大きな変化があった時

利用者さんが結婚・離婚した時や病院から退院したときなど、支援している中では、生活に大きな変化があることがあります。

生活状況が変わることによって、話し合うべきことがたくさん出てくるはずです。特に結婚・離婚となると、利用者さん1人だけではなく、相手とのことも色々と考えながら生活を組み立てていくことになるので、経験が必要です。

これまでの支援体制やルールを見直す必要も出てくるでしょう。

(10)  支援者だけでは決められず、家族も呼んだ方が良いと判断した時

ご本人の生活に、これから大きく変化があると考えられるときは、支援者だけで集まらず、家族にも入ってもらって話し合うことが望ましいでしょう。

例えば病気の症状が進んでこれ以上、1人暮らしは難しいと予想される場合や、入院生活から戻ってこられない場合などです。

入院生活を続ける場合は、ご本人名義で借りている賃貸物件をどうするか?など、現実的な問題が山積します。財産の処分など、支援者ができないこともありますので、ご家族にも協力を得ることが大切です。

ケース会議・ケア会議は支援者のためにもなる

ケース会議やケア会議は、基本的にはご本人を支援していくために開催するものです。しかし、会議を開催し、関係機関で話し合うことによって、支援がスムーズに進み仕事がしやすくなる場合があります。

ケース会議やケア会議は結果的に、支援者のためにもなることが多いのです。

会議を開くには多くの人を集めるため、日程調整が必要になります。そのため、頻繁に開催することは難しいですが、必要な時はすぐに開催することで、支援に役立たせることができるでしょう。

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