個別支援計画はどう作ったら良い?ポイント10選を解説

事業所運営
障がい福祉事業所のサービス管理責任者や支援員の方の中には、個別支援計画を作ることになったけど、どのようなことに気を付けて作ったら良いか迷う人もいると思います。
筆者も始めは見よう見まねで作ったので、その気持ちはよく分かります。この記事では、「個別支援計画の基本的な書き方は?」「効率よく作るにはどうしたら良い?」という疑問に答え、ポイント10個を紹介していきます。
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目次
  1. 個別支援計画を作るときの基本的な考え方は?
  2. なるべく前向きな内容にする
  3. サービス等利用計画との違いを意識する
  4. オリジナルの計画を作るようにする
  5. なるべく具体的に書いていく
  6. 効率よく作っていくには?
  7. 客観的に見ても分かりやすく書く
  8. 個別支援計画にルビは必要?
  9. サインが書けない人はどうする?
  10. 計画を作ったら他の事業所とも共有する

個別支援計画を作るときの基本的な考え方は?

個別支援計画は、障がいのある利用者さんが事業所を利用するにあたって、どのような支援を提供していくかをまとめた書類です。

支援内容について、ご本人だけではなく、ご家族にも分かりやすく伝えるためのツールとなります。そのため、ご家族から質問があった場合、サービス管理責任者以外も全ての職員がきちんと答えられるような計画を作る必要があります。

なるべく前向きな内容にする

個別支援計画は、利用者さんの現状だけではなく、将来を見据えて作成していく必要があります。福祉サービス事業所を利用することによって、これから考えられる利用者さんの変化について、前向きな表現で書いていきましょう。そうすることで、福祉サービスを利用する意義について、再確認することができます。

障がいや病気は時にマイナス面と捉えがちですが、言葉を言い換えることによって、ポジティブな個別支援計画にすることが可能です。

例えば、「体調が悪化しないようにする」という目標よりも、「健康を維持する」「毎日元気に過ごせるようにする」といった目標の方が良いと言えます。

個別支援計画の出来栄えの良し悪しは、「読んでいてワクワクするかどうか」に掛かっていると言っても過言ではありません。

サービス等利用計画との違いを意識する

障害福祉サービス事業所で働いていると、利用者さんに1人に対して、色々な計画(プラン)を作成しなければならないことに気が付くと思います。しかし、初めて計画を作るとなると、それぞれの計画の違いについて、よく分からないことも多く、結局に通った内容になってしまっていることも少なくありません。

個別支援計画では、サービス等利用計画の内容を基本にしながら、より具体的に、細かく記載していくことを意識しましょう。

サービス等利用計画では、利用者さんの生活全般を見て、各種サービスを利用することによってどのような変化を目指すか、という大まかな内容で書かれています。

これに対して、個別支援計画では、実際にサービスを使うことによって、何ができるようになることが期待されるかについて記述していきます。

オリジナルの計画を作るようにする

個別支援計画は基本的に同じサービスを利用している人に対して、計画をたくさん作っていくことになると思います。そうすると、就労継続支援事業所の個別支援計画では、「作業に集中する」「作業のスピードを上げていく」など、どの利用者さんの個別支援計画も、似通った言葉が並びがちです。個別支援計画は、その名の通り、あくまで個別に支援していくためのオリジナリティのある計画にすることが大切です。
「少しでもほかの利用者さんとは違った計画にしよう」と心がけるようにしましょう。

なるべく具体的に書いていく

利用者さんの活動内容や生活面で行うことについて、なるべく具体的に書いていくことが大切です。
例えば、外出することが好きな人に対して、個別に外出するプランを個別支援計画に盛り込むなら、どのように支援することで、いつ、どこへ外出が可能になるのか、5W1Hを意識して書いていきます。個別支援計画は、支援員側からの「このように支援していきたいです。いかがでしょうか?」という利用者さんへのメッセージであり、手紙でもあります
利用者さんが重度の障害のある方で、個別支援計画を理解することが難しいと予想される場合もあるかもしれません。

それでも、具体的に書いていくことで、支援員同士で支援の方向性を再確認することができるメリットもあります。

効率よく作っていくには?

ここまで、個別支援計画を作るときは1人ひとりの状況に合わせて、オリジナルのプランを作成することの重要性を紹介してきました。1つひとつの計画を丁寧に作ろうと思うと、初めは時間が掛かってしまい、利用者さんと接する時間が無くなってしまったり、残業が増えてしまったりすることもあるでしょう。

効率よく作っていくためには個別支援計画を実際にパソコンで書き上げる時には、すでに何を書くか決めておくことが大切です。

普段の支援で利用者さんと丁寧に接していれば、個別支援計画で書きたい内容はおのずと決まってくるからです。計画に盛り込みたい内容を思いついても忘れてしまいそうな場合は、メモを取るなどしておきましょう。

いざ個別支援計画を作成する時になってから内容を考えていると時間が掛かってしまい、億劫に感じてしまいます。

客観的に見ても分かりやすく書く

個別支援計画は、利用者さんへの思いが強くなるあまり、独りよがりな内容になってしまう恐れもあります。例えば、理想ばかり並べてしまい、現実的には実施が難しい内容になってしまったりすることがあります。

客観的に見ても分かりやすくなるように、個別支援計画が完成したら、別の支援員に読んでもらうと良い練習になります。お互いに意見を言い合うことによって、より良い個別支援計画にブラッシュアップすることが可能になります。

ご本人に見せる前に、何度か書き直していくと、より良い個別支援計画になっていくでしょう。誰かに見てもらうことが難しい場合は、時間を置いて改めて自分で読み返してみると、直すべき点が見つかることもあります。

個別支援計画にルビは必要?

利用者さんへの配慮として、個別支援計画や事業所が発行する書類にルビが必要かどうか、気になる方もいると思います。

確かに、知的障がい者をメインで支援している法人の場合、全ての個別支援計画にルビを振っている事業所もあるようです。ただし、知的には問題が無く、漢字も読める場合でも、福祉サービス事業所を利用している人もいます。

そのような方への個別支援計画にもルビを振ってしまうと、逆に失礼な場合もあります。自分自身が利用者さんの立場だったとして、ルビ付きの個別支援計画を出されたらどう感じるか、考えてみましょう。ルビを振るかどうかという判断も、各利用者さんに合わせるべきだと思います。

サインが書けない人はどうする?

重度の障害がある方を支援している事業所では、ご本人にサインを書いてもらうことが難しい場合もあると思います。その場合は、ご家族に代筆してもらうのが一般的です。代筆の場合、本人の名前を書いてもらった後、代筆者の氏名を併記してもらう形が一般的です。

たとえ文字にならなくてもご本人に書いてもらうことが大切だと考える場合は、本人にお願いするのも手だと思われます。ただし、ご本人がある程度、個別支援計画の内容を理解されていると判断できる場合に限った方が良いでしょう。いくら口頭で説明しても理解が難しいと思われる場合に、無理やりサインしてもらう必要はありません

このように、サインをご本人に書いてもらうか、代筆にするかという判断も、1人ひとり異なっていて良いと思います。ちなみに市役所・町役場は代筆のサインでも問題なく受理してくれます。

計画を作ったら他の事業所とも共有する

せっかく個別支援計画が完成したら、少なくとも相談支援専門員と共有するようにしましょう。複数のサービスを利用している方であれば、ほかのサービス提供事業所に送付するなど、情報共有することが大切です。

というのも、利用者さんの計画をそれぞれの事業所で作っていると、同じ利用者さんのことを見ているはずなのに、方向性がバラバラになってしまうことがよくあるからです。市役所としては、サービス調整会議はしっかり開かれているのか、疑問に感じてしまうところでしょう。最低でも、サービス等利用計画と個別支援計画は一体になっているべきなので、相談支援事業所と共有することが大切です。

わざわざ書類を渡しに行くのは大変でしょうから、何かのついでに渡しに行ったり、ある程度枚数が溜まってきた段階で送付したりするなどすれば十分です。

この記事では、ここまで個別支援計画を作成する時のポイントを10個お伝えしてきました。何か少しでも参考になる部分はあったでしょうか?

普段の支援を行いながら計画を作成することは大変かもしれません。しかし、ポイントを押さえることで、丁寧さと効率の良さの両方を実現していきましょう。

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