将来的には福祉サービス事業所で、サービス管理責任者になりたいと考える人もいると思います。サビ管の仕事は、責任ややりがいがある分、大変さも大きくなっていきますが、あらかじめ大変さを理解しておけば、乗り越えることができそうですよね。
この記事では、数多くのサビ管の方と一緒に仕事をしてきた筆者が、「サビ管の仕事って、実際、どんなところが大変?」「サビ管になるのは止めておいた方が良い?」という疑問に答えていきます。
- 現場の支援と管理の両方を任される
- 中間管理職の扱いになる
- 支援員よりも多忙になる
- クレーム対応をしなければならない
- 事業所の顔になる
- 外部とのやり取りが増える
- ストレスが増える
- 休んだ職員の穴埋めをしなければならない
- 休日返上で働くことがある
- 大変な割に待遇はあまり良いとは言えない
- 納得のいく働き方をするためには?
現場の支援と管理の両方を任される
サービス管理責任者になったからといって、職員のシフトの作成や電話対応など、事務作業や管理的な仕事だけ行っていればよいというわけではありません。
むしろ他の支援員と同様、現場の支援の仕事がメインのままと言えます。そのうえで、管理的な業務も加わってくる形になります。管理的な業務とは、例えば利用者さんの送迎の調整や1か月の予定表の作成などが挙げられます。
管理的な業務に少しずつ慣れていくことで、1か月間、1年間の仕事をルーティーン化させることができるようになります。
中間管理職の扱いになる
サービス管理責任者は現場の支援について、ある程度の裁量を任されますが、自分の好きなようにできるという訳ではありません。
現場の職員と法人側の間で板挟みになってしまうことも多々あります。例えば、現場の職員会議で決まったイベント内容について、法人側から駄目だしされてしまうなどということがあります。
そのため、再度現場で調整し直すということも起こり、なかなか仕事が進まなかったり、物事が決まっていかなかったりすることもあります。現場の支援員から不平不満が出ることもあり、そうした対応も求められることがあります。
サビ管の仕事が予想以上に大変なため、特に最初の1年は仕事中心の生活になることが多いそうです。
支援員よりも多忙になる
現場の支援員は、利用者さんの支援の最前線に立っているので、支援に集中することができます。しかし、サービス管理責任者は中間管理職として様々な仕事を任されることになるため、基本的に多忙になります。
支援員だった頃に比べて、早めに出社したり、サービス残業をしたりすることも増えていく傾向にあります。特に年度末には翌年度に向けて事業所としての年間計画を作成しなければならず、多忙を極めることになります。
事務作業が増えるため、パソコンの操作や文章を書くことが苦手な人にとっては、苦労することが出てくるかもしれません。
クレーム対応をしなければならない
サービス管理責任者として最もストレスが溜まる仕事の一つが、クレーム対応でしょう。福祉サービスも昔に比べ充実し、利用者さんが事業所を選ぶ時代になってきました。
そこで、昔だったら多少のミスがあっても、ご家族は「いつもお世話になっているから・・・」ということで、クレームになることはほとんど無かったそうです。
しかし、最近では利用者さんが事業所にとってお客様という側面もあるため、中には強気な態度の方もいます。
もちろんクレームが入らないことがベストではあるのですが、「日々の支援の中で利用者さんやご家族から意見されることはありえる」と捉えておくことが大切でしょう。
事業所の顔になる
サービス管理責任者になると、人前で話す機会が出てくるなど、「事業所の顔」の役割を果たすようになります。
講演会とまではいかなくても、地域の自立支援協議会で活動報告をしたり、小学校での出前講座を頼まれたりする機会がある人もいるようです。そうした外部で話すことが、事業所の印象を決めることもあります。
このように、サービス管理責任者には支援員と比べ、仕事の責任が一気に重くなるという特徴があります。地域との連携や、福祉の啓発活動に関心がある人にとっては楽しめる業務かもしれませんが、始めはどうして良いのか分からないことも出てくることが多いようです。
外部とのやり取りが増える
ここまで説明してきた通り、クレーム対応や講話をする機会が増えるため、外部とのやり取りが圧倒的に増えていきます。
外部とは、例えば、相談支援事業所や各種福祉サービス事業所のほか、就労継続支援事業所の場合は、仕事を発注してくれる企業などともやり取りが出てきます。
色々な人と名刺交換しながら、事業所のことを知ってもらうことが大切になります。人とのコミュニケーションが好きな方にとっては楽しい仕事と言えるかもしれません。
ただ、やはり人間関係が複雑になりがちなので、その分大変な思いをすることもあるようです。
ストレスが増える
ここまで解説してきた通り、サビ管の仕事では単純に仕事量が増えるだけではなく、責任も一層重くなり、コミュニケーション能力が求められます。
当然、現場の支援員と比べて、ストレスが溜まりがちになります。筆者の知人で長年サビ管の仕事をしている人は、「休日は昼間からお酒を飲んでいないとやっていられない」と話していました。サビ管をしていると、利用者さんについては個人情報にあたるため、仕事でストレスが溜まっても、ほかの人にも話して発散するわけにもいきません。
ストレスが増える分、自分でストレスを解消する方法を見つけなければならないようですね。特にサビ管になりたての頃は忙しく、ストレスとの戦いになる人も多いので、家庭との両立や家事と仕事のバランスについても、考えた方が良さそうです。
休んだ職員の穴埋めをしなければならない
サビ管は現場の責任者であるので、支援員が急に休んだ場合には、現場が回るよう調整しなければなりません。本来は事務作業に集中しようと考えていた日に、急遽1日中現場に入らなければならないということもあるでしょう。
事前に予定が分かっていればまだ良いのですが、支援員も人間なので、体調不良や忌引きなどが理由で、急遽休むことが出てきます。遅刻や欠勤が多い職員がいたり、仕事が嫌になって急に来なくなった職員がいるといった話も聞いたことがあります。
サビ管になる人には、臨機応変に対応できる力が求められると言えますね。
休日返上で働くことがある
ここまで解説してきた通り、サビ管は非常に多忙で、現場の支援員が休んだ場合、その埋め合わせ役になることもあります。そのため、有給を取っていても急遽仕事に出るなど、休日も何かしら仕事が入ることがあります。
筆者の知人のサビ管は、事務作業が苦手なので、自宅に仕事を持ち帰ることが多々あると話していました。サービス残業があまりにも増えていくと、最低賃金を下回って長時間労働しなければならない事態も考えられます。
そのため、プライベートを重視して働きたい人には、あまりお勧めできる仕事とは言えません。もちろん残業を減らしたり、効率的に仕事を回したりする工夫をすることも必須です。
大変な割に待遇はあまり良いとは言えない
支援員からサビ管に昇進すると国家資格を持っていなくても職務手当などが付くため、待遇は良くなることが多いです。
しかし、サビ管になったからといって、生活レベルを急激に上げられるほどの待遇にはならないことが多いです。そうなってくると、仕事の大変さに見合わないと感じてしまう人も多いようです。サビ管の資格を取得すると、ほかの法人からも引く手あまたになるので、転職を検討しても良い段階かもしれません。
同じ法人で勤め続けている人は、よほどその事業所の仕事が好きだとか、その事業所でなければできない業務があるという方が多いように感じます。
納得のいく働き方をするためには?
あまりにも多忙でストレスが溜まってくると、サビ管の仕事はとても続けていられないと感じる方も多いかもしれません。
長く仕事を続けていくためには、納得感を持って働くことが大切ですよね。
納得のいく働き方をするには、(1)現場の支援員に戻らせてもらう、(2)サビ管の業務効率化や待遇改善を法人に求める、(3)別の法人に転職してサビ管を続ける、(4)相談支援の仕事に転職するといった対策が考えられます。
自分自身大きなストレスを抱えて働き続けることは、利用者さんや事業所にとっても良い状態とは言えないと思います。どうせなら楽しく働ける職場を探しましょう!
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