福祉の仕事をしている人の中には、「自分たちの法人で行っている取り組みについて、マスメディアに取材してもらいたい」と考える人もいると思います。メディアに取材されると多くの人の目に触れるので、就労支援事業所で作っている作品が売れたり、利用者さんが集まったりと、メリットが多くあります。
この記事では、メディアでの経験を経て現在は社会福祉士として働いている筆者が、「社会福祉法人がプレスリリースを書く際に、どのような点に気を付けたら良いか?」という疑問に答えていきます。
- 社会福祉法人がプレスリリースを書く時のポイント5つ
- (1)どれくらい珍しいかを強調する
- (2)タイトルはできるだけ簡潔に
- (3)福祉というだけで社会的意義はOK
- (4)どんなことが見込めるかも記事になるポイント
- (5)写真や動画の華やかさを意識する
- 〈効果アップ〉特定の記者と仲良くなると記事にしてもらいやすい
社会福祉法人がプレスリリースを書く時のポイント5つ
プレスリリースを書く時は、ただ漫然と書いていても相手に伝わりにくいものです。
それは、プレスリリースの目的が「記者が取材する価値があるかどうかを判断するための資料」だからです。記者の元にはたくさんのプレスリリースが送られてきて、その中から「これはニュースになりそう」と判断されたものだけが取材対象になります。
もし自分が記者だったらどんなことがネタになるかも、併せて考えてみると良いかもしれませんね。そう言われても、取材する基準というのは、実際に取材する立場になってみないと、ピンとこないかもしれません。
それでは早速、プレスリリースを書く時のポイント5つを紹介していきます。
(1)どれくらい珍しいかを強調する
プレスリリースの内容は、記者に取材してもらいたいポイントを伝えることです。
そこで、「ニュースになるには何が必要か?」ということを考えることが大切になってきます。
「ニュースになりそう」なネタとは、「多くの人がやっている普通のこと」では取り上げにくく、簡単に言うと「珍しいこと」なんです。
どれくらい珍しく、新しい取り組みであるか(新規性)が何より重要となります。
そうすることで、ニュースバリュー(ニュースの価値)が上がるということになります。
プレスリリースで、珍しさを強調するには、どう伝えればよいでしょうか?
具体的には、「初めて」「新商品開発」「新店舗がオープン」などの言葉が並んでいると、取材される確率が上がります。
新商品開発に関することであれば、さらにどんな点にこだわっているのかや、ほかの商品との差別化などについても記述すると、さらに目に留まりやすくなるでしょう。
(2)タイトルはできるだけ簡潔に
プレスリリースで伝えたいことや、取り上げてもらいたいことの内容は一つに絞りましょう。あれもこれも取材してほしいということを書くと、結局なにをいつ取材したらよいのか、よくわからなくなってきてしまいます。
内容を一つに絞ると、タイトルも自然と簡潔になり、分かりやすいプレスリリースができます。
例えば「就労継続支援事業所での新商品開発に関する取材のお願い」「福祉祭り初開催 取材のお願い」といったように、パッと見ただけで、何を取材してほしいのかということが分かります。
自治体や企業の中には、プレスリリースをホームページ上で公開しているところもあります。
そういったお手本となるプレスリリースには、何が書かれているのかも参考にされると良いでしょう。ニュースバリューなどと言われると難しく考えてしまうかもしれませんが、シンプル・イズ・ベストです。
(3)福祉というだけで社会的意義はOK
実はニュースになるには珍しさだけではなく、「社会的意義がどれだけあるか」ということも大切です。その方が読者にとって有益な情報を伝えられるからです。
例えば、「新たにラーメン店がオープンしたので取材に来てほしい」と言われても、「ラーメン店は商売としてやってるだけなので、読者に伝える価値って何でしょうか?」となってしまいます。
マスメディアとしては、「もしラーメン店開店について多くの人に知ってもらいたいのであれば、広告を出してください」と考えてしまいます。(ローカルなテレビ局であれば街の話題として、取材の可能性もありますが、特に新聞は個々のポイントを重要視するので、単なるラーメン店では難しいです)
しかし、「ラーメン店で子ども食堂開始」という社会的意義があれば、取材しに行く価値が生まれてくるのです。就労継続支援B型として運営されているラーメン店というのも、社会的意義があるとみなされます。
このように福祉の要素は、取材するための社会的価値が十分あると言えるので、その部分を押していっても良いでしょう。
(4)どんなことが見込めるかも記事になるポイント
伝えてもらいたい出来事やイベント、商品が世に出ることで、どんな影響が考えられるか、という点もポイントになります。
例えば、「障害者がリモートワークを行える事業所がオープンした」ということを取材してほしいとします。
この場合、リモートワークを行えるようになることで、これまで事業所に通えないという理由で仕事ができなかった人たちに仕事をお願いできるようになるという影響が考えられます。そしてこのような取り組みが全国で広がっていけば、どれくらいの人が働けるようになるかというデータも示すことができると、さらに良いでしょう。このように影響力を強調することによって社会問題と結びつけやすくなるため、ニュースにする価値がグンと上がり、より大きなニュースになりやすくなります。
影響力を強調するのは高度なテクニック
こういった影響力を強調する場合は、イベント取材などでは難しい部類に入ります。コンサートや地域のお祭りなどが取材テーマだとすると、「そのイベントが行われたから、どのような影響があるか?」と言われても、証明するのがなかなか難しいからです。
この辺りは、どんなに社会的に意義のあることや、良いことをやっていても、全然取り上げられないし、広がっていかないという原因になっているかと思います。
どんな記事として取り上げられるかを想定しながら、プレスリリースを書くことも大切ですね。
ですから、プレスリリースはただ作成すればよいという物ではなく、戦略的に書くことが重要になってきます。
(5)写真や動画の華やかさを意識する
取材してもらいたいテーマが初めてのことでもなく、特に影響も広がりがなさそう…と感じた方もいるかもしれません。
そのような時は単なるイベントであっても、写真や動画を撮影したときに華やかだったり、美しいと、取材されやすくなります。
例えば、毎年行われているイベントであっても、見ごろの花があったり、キャンドルナイトが行われるなど、写真がきれいだと、ニュースとして取り上げるというよりは、ほっこりする記事として取り上げやすくなります。記事としてはそれほど大きく扱うことは難しいかもしれませんが、写真で読者の目線を引き付けられるので、よく読まれる可能性もあります。
写真を大きく載せてもらうには美しさ以外にも、子どもや動物など、読者が見ていて楽しくなる対象が撮影できるという点もポイントになるでしょう。
プレスリリースの中に写真も一緒に入れてあげると、取材する時のイメージが湧きやすくなるのでお勧めです。
〈効果アップ〉特定の記者と仲良くなると記事にしてもらいやすい
ここまでプレスリリースを書く時のコツについてお伝えしてきました。
一度取材された経験があるのであれば、今度別の取材をお願いする時は、直接その記者に頼んでみると、記事にしてもらいやすくなります。記者も人間なので、「○○社宛て」に来たプレスリリースよりも、「○○さんへ」と、自分自身に直接届いたプレスリリースの取材は、なかなか断りにくいものです。
ただ、忙しい中、口頭で説明を受けてもニュースバリューを判断するのは大変なので、いずれにしても、プレスリリースは毎回書く必要があります。
プレスリリースを書くってなかなか難しいし、結構コツが必要と感じた方もいるかもしれません。
筆者はメディア勤務の経験を活かし、プレスリリース作成の代行も行っております。まずは見積もりもできますので、Twitterからご連絡頂ければ幸いです。
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