就労継続支援事業所の商品を差別化するには?ポイント5つを紹介

事業所運営

就労継続支援B型事業所で働いている人の中には、事業所で作っている「作品や商品に付加価値を加え、差別化してもっと売り上げを伸ばしたい」と考える人もいると思います。

商品の売り上げが上がれば、利用者さんの工賃に還元することができるメリットがあります。

この記事では、相談員として数多くの就労戦事業所を見てきた筆者が、「就労継続支援事業所が商品をどのようにブランディング化していくことができるか?」という疑問に答えていきます。

筆者のプロフィールはこちらhttps://fukushilabo.com/zikosyokai/
目次
  1. 就労継続支援事業所の商品を差別化するには?ポイント5つを紹介
  2. (1)マーケティングの知識を得ることが大切
  3. (2)商品が消費され続けることを意識する
  4. (3)良い素材を使うなどこだわって作る
  5. (4)インターネット販売にも力を入れる
  6. (5)商品をメディアで紹介してもらう
  7. 工賃をたくさん支払うためにも、良い商品づくりを

就労継続支援事業所の商品を差別化するには?ポイント5つを紹介

就労継続支援事業所では、商品の売り上げから利用者さんに工賃を還元しています。国の制度が変化したことによって、工賃の平均額を多く支払っている方が、高い支援費を受け取れるようになりました。安定した事業所運営をしていくには、工賃を高く設定することが必須となっています。

その影響で、これまで自主的に製品を開発してきた事業所も、チラシ折りなどの「内職」作業を取り入れ、安定した作業量を確保しようとしている動きがあります。

しかし、せっかくならこれまで製造販売してきたノウハウや経験を生かし、売り上げを上げることによって、工賃を高く出来たらベストですよね。

そこでこの記事では、就労継続支援事業所の商品を販売する際に差別化するポイントを紹介していきます。

(1)  マーケティングの知識を得ることが大切

本来、商品を手に取ってもらうためには、「それを必要としているお客様がどこにいて、どうすれば商品のことを知ってもらえるか?」というマーケティングの手法が重要になってきます。

商品を開発、販売する上で当然のことと言えますが、就労支援事業所では、どうしても利用者さん目線になっているところがあり、お客様目線が欠けている傾向にあります。

就労継続支援事業所としては、「なるべく宣伝にコストを掛けたくない」「利用者さんに作業を提供することで精いっぱい」と考える場合も多いかもしれませんが、まずは職員がこれまでの福祉の考え方から抜け出すことが大切です。

マーケティングを無料で学べる方法も

独学でも良いので、マーケティングを学んでいくと、販売する方法も売り上げも変わっていくと思います。

書籍で学んでも良いですし、最近は無料サイトでも、マーケティングについて解説してくれる動画もあります。そこで学んだ手法から、あなたが異動しても次の職員に引き継げるような方法を編み出していきましょう。

(2)  商品が消費され続けることを意識する

就労継続支援事業所の中には、手工芸品や人形など、風合いのある手作り品を販売しているところもあると思います。

しかし、もしも自分が消費者だったら、その商品を年間に何回購入するか考えてみたことはあるでしょうか。

もちろん食品などは賞味期限があるうえ、ライバルも多くなってしまうのですが、あまりにも購入する機会が少ない商品の場合は考え物です。

筆者がこれまで見てきた就労支援事業所では、長年同じ作品を作り続けているところが少なくありません。「職員も利用者さんたちも、その商品を作ることに慣れていて、みんなができるから」という理由で販売し続けていては、お客様には選ばれにくいでしょう。

もし思い当たらる場合は、年間を通じて購入するものや、イベントの時期やギフトとして需要があるものにシフトしてみてはいかがでしょうか。

(3)  良い素材を使うなどこだわって作る

良い材料や素材を使っている商品は、多少高くても売れ続ける傾向にあります。

良質な素材は高価なので仕入れにくいと考えるかもしれませんが、手工芸品を扱っている場合は、今扱っている材料を、フェアトレードの素材に変えることで、差別化が可能になります。フェアトレードの布やビーズは、インターネットで簡単に購入することが可能です。

フェアトレード雑貨工房colors – メルカリShops (mercari-shops.com)

フェアトレード製品の収益は開発途上国の生産者支援に充てられるため、障がい者の就労支援とも親和性が高い商材と言えます。

このように、素材にこだわることによって、「ストーリーのある商品づくり」をすることができます。

 

地元産へのこだわりも◎

筆者がこれまで見てきた就労支援事業所の中には、地元でとれた昆布を細かくカットして、詰め合わせる作業をしているところがありました。

食品でも、ドライフルーツや乾燥野菜など賞味期限の長いものであれば管理しやすいというメリットがあります。材料も、地元で取れた物ということで、お土産として道の駅でも販売されていました。このように、商品を消費者に届けるために、どれだけこだわって作っているかが、大切だと思います。

就労支援事業所では一般企業と違ってどうしても、利用者さんたちができることを作業として提供しなければならないという縛りは出てきます。しかし、企業と同じくお客様目線に立って工夫することで、売れ続ける商品開発は可能になります。

そのためには、パン製造であればパン職人を、パスタソースであればイタリアンシェフを就労支援事業所の職員として雇用するなど、プロの力を借りることも必要です。

(4)  インターネット販売にも力を入れる

これまでの就労継続支援事業所は、事業所の玄関先や、事業所に併設した販売コーナー、駅の構内に設置されている福祉ショップなどで商品を販売することが多かったかと思います。それらに加えて、福祉バザーや地域のお祭りなどのイベントに出展しているので精一杯という事業所が多いのではないでしょうか。

最近ではインターネット上でも販売している事業所もありますが、在庫の管理の煩雑さや、ITに強い職員がいないなどの課題があることから、まだ少数派と言えます。

これまでの販売方法では、お客様目線というよりも、「福祉事業所としてできる方法」で販売しているのです。もっと言えば職員が「日ごろの業務の片手間でできる販売方法」に終始してしまっています。

確かに委託販売を増やすと、納品や在庫管理などが煩雑になってしまいますが、インターネット販売の場合、同じ商品を作り続ける体制が整っていれば、ネットでお客様の注文を待ち、注文が入った段階で発送すれば良いので、比較的取り組みやすいでしょう。無料で簡単にインターネットショップを立ち上げられるサービスも登場しているので、活用を検討してみましょう。

(5)  商品をメディアで紹介してもらう

ここまで、商品開発のヒントや販売方法について紹介してきました。

しかし、どんなに良い商品を作っても、インターネット上で販売を始めても、そのことを消費者に知ってもらわなければ、購入にはつながりません

一般企業と違い、就労支援事業所では広告費や宣伝費の予算を掛けることは難しいという事情もあるかと思います。

そこで必要なのは、メディアで紹介してもらう機会を増やすことです。テレビや新聞で取り上げてもらえれば、取材を受けるという形で、無料で多くの人に紹介してもらうことが可能になります。

新聞社に商品やパンフレットを持ち込んでも良いですし、プレスリリースを発送しても良いでしょう。

筆者はマスメディアで勤務していた経験もありますが、地方の新聞や情報誌であれば、それほどハードルは高くありませんので、ぜひチャレンジしてみてください。

工賃をたくさん支払うためにも、良い商品づくりを

筆者が相談員として働く中で就労支援事業所の意見を聞いていると、職員の方々は、「たくさん注文が来ても対応しきれない」「忙しくなりすぎると、利用者さんの負担になる」と話すことがあります。

つまり、たくさん売れることは、就労支援事業所にとってマイナスであるかのように捉えている部分があります。

しかし、利用者さんにとっても、自分たちが作った商品が多くの人に届くことは喜びにつながるはずです。そして何より、利益がアップすれば工賃を上げることが可能になります。

就労支援事業所は「どんどん売っていこう!」と、職員が意識を変えることで、活性化していくはずです。

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