障がいがある人やそのご家族の方の中には、「障がいがあると、1人暮らしは難しいのでは? 」と考える人もいると思います。
結論から言うと、答えはNOです。
障がいがあっても1人暮らしをしている人は沢山いますし、決して無理なことではありません。この記事では、1人暮らしを送っている障がい者を支援している筆者が、どうすれば病気や障がいと付き合いながら、単身生活を送ることができるか解説していきます。
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1,障がいがあると1人暮らしは無理?諦める必要はありません
2,サービスを組み合わせることが大切
3,最低限、必要なのは住む場所とお金
4,できれば働く(活動)場所を見つけよう
5,困ったときは身近な人に相談しよう
6,どうしても不調な時は休んでも良い
7,リスクをセットにして考える
1,障がいがあると1人暮らしは無理?諦める必要はありません
何らかの障がいがあると、色々不安だし、1人暮らしを送ることは難しいかな…と考えてしまうことがあるかもしれません。
しかし、筆者は身体・知的・精神すべての種類の障害のある方々が1人暮らしを送るのを見ていて、決して不可能なことはないと感じています。
集団生活だとどうしてもルールがありますが、グループホームから退所したり、精神科病院から退院したりして、自由な生活を満喫している人は沢山います。
ただ、1人暮らしを送るにはリスクも伴いますので、いかにリスクを減らせるかがポイントです。
この記事では、障がいがあっても、1人暮らしを続けていけるコツをお伝えしていきます。
2,サービスを組み合わせることが大切
障がいがあり、1人暮らしを送っている方向けに、福祉サービスがいくつかあります。
初めて1人暮らしをするには、全くサービスを受けずに頑張るよりも、誰かのサポートを受けながら生活していくことをお勧めします。
はじめは1人ですべてできると思っていても、後から分からないことが出てきたり、住居の契約で困ったりする場合があるからです。
「自分で行うこと」と「頼ること」のバランスを
まずは、自分でできることは自分で行い、福祉サービスを受け入れる気持ちを持つことが大切です。何でも頼りすぎることなく、「自分でできること」と「人に頼ること」のバランスを取るようにしましょう。
また、福祉サービスは地域によって事業所がない場合もあるので、これから住む予定の地域では、どのようなサービスを受けられるか、役所や相談支援事業所に確認してみることが大切です。
障がい者が1人暮らしする時に受けられるサービスを一挙紹介
3,最低限、必要なのは住む場所とお金
1人暮らしをするために、どうしても必要なものは、住居とお金です。その2つさえ揃えば、とりあえず生活することは可能です。
家事などは、福祉サービスで補うことが可能ですが、住む場所とお金は必ず事前に用意しなければならないからです。
3-1、住居について
まず、住居に関しては、どんな条件の家が良いか考えてみましょう。家賃だけではなく、買い物の利便性や、立地なども大切です。
引っ越しするには、ある程度お金がかかるので、後から後悔しないよう、時間をかけて考えると良いと思います。
できれば1軒だけではなく数件回って比較してから決めるようにしましょう。
契約にあたっては、保証人を立てたり、物件を見学したりと、やらなければならないことが沢山ありますが、一つひとつ順番に行っていけば大丈夫です。
3-2、生活費について
また、生活費は人それぞれ異なるので、「〇〇円貯金があればOK」とは一概には言えません。まずは1か月分の生活費がどれくらいかかるのか、計算してみましょう。
貯金は引っ越しする費用のほかに、半年分~1年分の生活費を貯めておくと安心です。
仮に1か月15万円で生活するなら、最低でも、90万円~180万円程度の貯金が必要ということになります。
1人暮らしするための引っ越し費用も、余裕をもって数十万円は掛かると考えておきましょう。
車など、高価なものを購入する予定がある場合は、その金額は別に用意しておかなければなりません。
今の貯金が足りない場合は、月にいくらずつ貯めていけば目標を達成できるか、事前にシミュレーションすることが大切です。グループホームに入っている場合は、どうしたら貯金していけるか、支援員さんに相談してみるのも良いでしょう。
4,できれば働く(活動)場所を見つけよう
1人暮らしを送るために最低限必要なのは住居とお金とお伝えしてきましたが、毎日、何をして過ごすのかも大切です。
年齢的にもう働かないという選択をする人も、家にこもっているよりも、人との交流を持つために、デイケアやサークル、生活介護事業所などに通うことをお勧めします。
貯金をするためにお金が必要という方は、働かなければ1人暮らしを続けることは難しいと思われます。
障害年金を受けている方は、年金と合わせていくら収入があれば生活を続けていけそうか、考えてみることが大切です。例えば障害基礎年金2級を受給している場合、例話5年5月現在で毎月約75,000円を受け取れますので、残りの生活費を自分で稼がなくてはなりません。
自分1人で計算することが難しい場合は、相談支援事業所に聞いてみましょう。
それから、年金で足りない分を稼ぐには、どこで、どんな仕事をしたら良いか、求人を探していくことになります。
働く場所は色々な選択肢がある
障害のある方が働く場所については、一般就労するか、就労継続支援事業所(A型・B型)で働くか、色々な選択肢があります。
就労継続支援事業所で働きたいと思った場合は、事業所の見学からスタートしてみましょう。就労継続支援事業所を利用して働く能力を身に着ければ、一般就労に移行することも可能です。
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5,困ったときは身近な人に相談しよう
具合が悪くなった時や契約関係、市役所からの書類などで分からないことがあった時に、相談できる人がいることは大切です。まずは家族や友人など、身近な人に聞いて解決できると1番良いですね。
困った時に放ったらかしにしておくことで、状況が悪くなってしまうことがあるので、早めに相談するように心がけましょう。
1人で市役所の窓口に行って相談するのは大変かもしれませんが、地域の相談支援事業所は、1人暮らしをしている障がい者の相談を無料で受け付けてくれます。
また、「地域定着支援」という福祉サービスを利用すれば、支援員が緊急時にサポートしてくれるので、利用を検討してみると良いと思います。
6,どうしても不調な時は休んでも良い
1人暮らしをしていると、自分の好きなものを食べたり、好きなところに遊びに行けたりする自由な生活が送ることができます。
その一方で、グループホームや病院の生活と異なり、自分の責任で決めなければならないことも増えてきます。
ストレスがたまってきたり、疲れてきたりすると、なかには体調を崩す方もいらっしゃいます。
そのような時は医療の力を借り、医師の判断によっては入院しなければならない可能性もあります。
1人暮らしに疲れた時は、不調を改善するためにも、病院の判断を仰ぐようにしましょう。筆者が支援している方の中にも、季節によって精神的に不調になるため、年に数回短期入院して、また地域に戻ってくる方がいます。
「体調がすごく悪くなって動けなくなる前に、対応することが大切ですね」といつもご本人とお話ししています。
7,リスクをセットにして考える
グループホームの生活や入院と異なり、1人暮らしは支援者や看護師などの目が届きにくくなります。
自由な生活を楽しめるというメリットがある一方で、リスクも生じることは覚えておかなければなりません。
リスクと聞くと、ちょっと怖いイメージがあるかもしれませんが、あらかじめ防災や詐欺被害防止の対策を立てておけば、必要以上に怖がることはありません。
これまでお伝えしてきた通り、色々な福祉サービスを組み合わせ、働く意思があれば、障がいがあっても1人暮らしは十分可能です。
ぜひ1人暮らしにチャレンジして、映画を見に行ったり、運転免許を取得したり、自分らしい生活を楽しんでみてください。
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