障がい者が1人暮らしする時はどんなサービスが使える?種類や使うまでの流れを解説

障がい者の暮らし

障がいがある方で、1人暮らしをしたいと考えている人の中には、「福祉サービスを受けたいけど、どんなサービスを受けられるのか知りたい」という人もいると思います。

障害福祉サービスと介護保険のどちらを選ぶべきなのかも複雑で、制度のことって難しいですよね。この記事では、障がいのある方が1人暮らしをする際に使えるサービスと、申請の仕方、利用するまでの流れについてお伝えしていきます。

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目次

1,障がい者が1人暮らしする時はどんなサービスが使える?種類や使うまでの流れを解説

2,いわゆるヘルパーは居宅介護(家事援助・身体介護)

3,いざという時の地域定着支援

4,通所事業所(就労・生活介護)も利用可能

5,利用するまでの流れは?

6,介護保険と障害福祉サービスの違い

7,利用後、困ったことが発生した場合は?

 1,障がい者が1人暮らしする時はどんなサービスが使える?種類や使うまでの流れを解説

障害福祉サービスには色々な種類がありますが、グループホームに入っているとヘルパーは使えないなど、組み合わせによっては同時に利用できない物もあります。

サービスの名称も分かりにくく、申請するだけでも一苦労…なんてこともあるかもしれません。

この記事では、社会福祉士として相談支援事業所に勤務する筆者が、障がいのある単身生活者がどんなサービスを使っているのか紹介していきます。

2,いわゆるヘルパーは居宅介護(家事援助・身体介護)

1人暮らしをしていて、最も大変なことの一つに家事があると思います。

家事をお手伝いしてくれる人のことをヘルパーと呼びますが、ヘルパーのサービスは「居宅介護」という名称があります。ヘルパーさんは、掃除や洗濯、調理、買い物代行などを行ってくれます。ヘルパーさんが本人に代行して行うのが「家事援助」、ご本人と一緒に行うのが「身体介護」となります。

身体介護はその名の通り、体の動作を介助するので、入浴介助も身体介護に含まれます。

色々な種類がありますが、相談支援事業所の人と話しているときや、役所に申請するときは「ヘルパーを使いたいです」と伝えれば分かってくれるので、問題ありません。

実際の利用できる時間数は?

利用できる時間数はご本人の状態(支援区分1~6)に応じて異なります。

実際の利用時間は、相談支援事業所が、ヘルパーを派遣する事業所と調整することになります。ヘルパーは不足傾向にあるため、ご本人が週3回、2時間ずつのサービスを希望していても、ヘルパーさんが見つからないことがあるからです。同じ事業所から派遣されてくるヘルパーさんでも、曜日によって違う人が来るということもあります。

ちなみに、透析患者さんが自宅から病院までの送迎してもらえるサービスも、「居宅介護」に含まれます。こちらは家事援助とは異なり、「通院等(乗降)介助」となります。

福祉サービスって、とっても複雑ですね…。

利用したい場合は、今、ご自身が困っていることを相談員の人に伝えれば、大丈夫ですので安心してください。

 3,いざという時の地域定着支援

地域定着支援は、障がいのある方が1人暮らしをしていて困った時に、相談支援事業所に対応してもらえるサービスのことです。

例えば、地域定着支援では下記のようなことを行っています。

・市役所から来た通知の内容が理解できないので、代読してもらって必要な場合は申請を行ってもらう。

・自宅アパートの備品を壊してしまったので、代わりに管理会社に連絡して、業者に修理してもらう。

・大きな買い物をしたいが、本当に契約してよいか相談したい。

・迷惑電話がかかってきているので、着信拒否にしたいが、電話の操作の仕方を教えてほしい。

・体調が悪いが、休日なのでどこの病院に行ったらよいか分からない。

・生活費を使いすぎてしまったので、自宅に訪問して家計簿のつけ方を教えてほしい。

特別困ったことがなくても、月に1~2回程度、相談支援専門員が様子を見に訪問することもあります。

このように、地域定着支援では生活全般のありとあらゆることが対応範囲となり、特に決まりはありません。

とはいえ、相談支援事業所に所属している相談支援専門員の人数にも限りがあります。ですから、相談支援事業所によって、対応できる内容や範囲は異なっているのが現状です

どこからどこまではお願いできるか、自分でしなければいけないことは何か、事前に確認しておくようにしましょう。

4,通所事業所(就労・生活介護)も利用可能

日中仕事をしたり、余暇活動を送ったりするために通う場所のことを、通所事業所と呼んでいます。通所事業所の中には、就労継続支援事業所や、生活介護事業所などがあります。

これらの通所事業所は、グループホームに入っていても、1人暮らしをしていても、使うことができます。

筆者が支援している方の中にも、65歳を過ぎたので一般就労が難しくなり、生活介護事業所に通っている方がいらっしゃいます。年金を受給し、預貯金があればそういった生活の仕方も十分可能です。

ただ、お若い方の場合は、日々の生活を送りながら毎月貯金していくことを目標にすると、年金に就労継続支援事業所の工賃を足しても、なかなか足りない場合のことの方が多いようです。(就労継続支援事業所の工賃は事業所によって異なるため一概には言えません)

一般企業で働くという選択肢も!

若くてまだ働ける方は通所事業所を利用せず、一般就労の障害者雇用枠で働く方が多くいます

どのサービスも、使う権利はありますが、「使わなければならない」ということはありません。ご自身に合った組み合わせを選ぶようにしましょう。
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5,利用するまでの流れは?

福祉サービスを利用するには、まず役所の窓口で申請しなければなりません。

障がい者手帳を持っていれば、間違いなく申請することができます。

何らかの事情で手帳を持っていないという方でも、精神科の自立支援医療を受けている場合など、利用できる場合があります。

申請が難しい場合は、相談支援専門員が代行してくれる場合もあるので、まずは相談してみることが大切です。

申請後、相談支援専門員が「サービス等利用計画」という書類を作成し、役所で支給が決定されて初めて利用開始という流れになっています。

申請から利用を開始できるまでに、約1か月間掛かることも珍しくないので、利用したい場合は早めに申請した方がよいでしょう。

6,介護保険と障害福祉サービスの違い

障害福祉サービスと似た制度に、介護保険制度があります。

簡単に言うと、介護保険制度のサービスは高齢者向けで、主に65歳以上の方が利用します。

例えば特別養護老人ホームに入居したり、高齢者のデイサービスに通ったりすることが該当します。

でも、障がいのある方も年齢を重ねて65歳になったら、介護保険制度と障害福祉サービスで重複してしまいますよね。

ヘルパーなど、同じ内容のサービスが介護保険と障害福祉サービスの両方に一部存在するからです。その場合は、介護保険制度を優先して使い、足りない時間数を障害福祉サービスで補うという形が取られます。

どちらを使うかは役所の福祉課で調整が行われますので、気になる場合は役所か、担当の相談支援専門員に聞いてみましょう。

生活介護事業所など、障害福祉にしかないサービスは、65歳以上になっても引き続き利用することができるので、安心してください。

7,利用後、困ったことが発生した場合は?

無事福祉サービスを利用できるようになっても、その後、困ったことが発生する場合も考えられます。

例えばヘルパーさんとの相性が合わなかったり、就労支援事業所の工賃が安く、もっと稼ぎたいと思ったりした場合などです。

相談支援専門員は半年に1度のペースで「モニタリング」と言って、支援の見直しをするためにご本人と面談を行います。

この面談時以外でも相談に乗ってくれるので、気軽に聞いてみると良いかと思います。

サービスを利用開始する時は、制度上どうしてもある程度時間が掛かりますが、事業所を変更するだけの場合は、新たな事業所が見つかりさえすれば比較的短期間で変更が可能な場合もあります。

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