福祉職のバーンアウト(燃え尽き症候群)を防ぐには?具体的な5つの対策を紹介

相談支援

社会福祉士として働いていると、対人援助職が辛くなるなどして、バーンアウトしてしまいそうになる人もいるかと思います。

この記事では、福祉職の方向けに「どうすればバーンアウトを防ぐことができるのか?」という疑問に答えていきます。社会福祉士として勤務する筆者も、色々なことが重なりこの仕事を続けていけるか迷うが生じたことがありましたので、今回はそのような体験も交えてお伝えしていきます。

筆者のプロフィールはこちらhttps://fukushilabo.com/zikosyokai/

目次
  1. 社会福祉士がバーンアウトしてしまう原因
  2. バーンアウトを防ぐための対処法1―周囲に相談する
  3. バーンアウトを防ぐための対処法2―ケース会議を開く
  4. バーンアウトを防ぐための方法3-原因となる利用者さんとの距離を置く
  5. バーンアウトを防ぐための方法4―行政も味方につけておく
  6. バーンアウトを防ぐための方法5-仕事を休むことを検討する
  7. 転職を検討することもお勧め


1,社会福祉士がバーンアウトしてしまう原因

社会福祉士がバーンアウトしてしまう原因はいくつかありますが、仕事をしていくなかで精神的に余裕がなくなってしまうことが大きな要因と言われています。

それではなぜ、福祉の職場であ余裕がないのでしょうか

単純に業務量が増えているということもあるでしょうが、福祉の職場では少人数で運営しているところも多くあります

そのため、1人の退職や人事異動によって、突然、仕事の量が急激に増えてしまうことがあります。退職や人事異動は急なことも多く、やむを得ないとはいえ、予想外のタイミングで一気に仕事が増えてしまうことになります。大企業であれば、1人が退職しても新たに人材を採用したり、仕事を分散させることができますが、福祉事業所ではそうはいきませんよね。多忙な中で、対人援助職を続けていくことはかなりストレスフルとなります。

困難事例に直面してしまう

困難事例に対応していると、利用者さんの言動に振り回され、精神的に疲れてしまい、バーンアウトしてしまうことがあります。近年では利用者さんがクレーマー化してしまうこともあるので、無理もありません。

バーンアウト状態になると、自分自身を客観的に見つめることは難しくなります。

場合によっては精神科の受診が必要になったり、休職や退職に繋がったりしまうので、周囲の職員や自分自身がバーンアウトする前に早めに対応することが大切となります。

2,バーンアウトを防ぐための対処法1―周囲に相談する

バーンアウトを防ぐために、最も大切なことは1人で悩みを抱え込まないということです。改めて上司に相談するというと、なかなか敷居も高いでしょうから、なるべく日ごろから上司や同僚と気軽に情報共有できる体制を整えておきましょう。

上司が忙しそうで時間が取れないという場合は、メールや手紙で伝えることも有効です。メールや手紙の場合、相手が都合の良いときに読んでくれますし、それに対して上司から何らかのリアクションを起こしてくれるでしょう。メールだと自分自身が早めに相談したという証拠にもなるので、後々になって上司がうまく対応してくれなかった時などに、役立つこともあります。

相談する時期ですが、悩みが深くなる前に、早めに相談するということも大切なポイントです。

問題が大きくなる前に職場としてどう対応していくかが見つかれば、周囲もサポートしやすいでしょう。社会福祉士には守秘義務があるので、まずは職場内で解決することが最も大切です。

同僚と飲みに行って発散することも、ストレス解消としては良いでしょう。ただし個室を予約して、周りのお客さんに話している内容が利かれないような配慮は必要です。

3,バーンアウトを防ぐための対処法2―ケース会議を開く

周囲に相談したからと言って、すぐに解決に至るとも限りません。

上司が多忙で相談に乗ってくれないこともあるかもしれませんし、同僚から的を射たアドバイスをもらえるとも限りません。職場で困っていることについて勇気をもって上司に相談したら、期待していたほどあまり良い反応が返ってこなくてがっかりしたという話も聞いたことがあります。

困難事例で困っている時には、ケース会議を開催することが有効です。支援の在り方をすぐに変えることにならなくても、関係者で情報共有することによって支援者が救われるということが多くあります。上司1人だけではなく、職場全体で状況を知っているという状態を作ることが大切ですね。

困難事例のケースに携わっている人は1人ではないはずです。そのケースの職場や医療機関、相談支援事業所など、複数名で集まり、近況を報告し合うことから始めてみると良いでしょう。

4,バーンアウトを防ぐための方法3-原因となる利用者さんとの距離を置く

対人支援の仕事で疲れている時期は、「原因となる利用者さんがいる」と感じませんか?

職場で担当制などがあり、どうしても自分が対応しなければならない環境にあるという方もいるかもしれませんが、その方との距離を置いてみるというのも一つの手です。

もちろん業務上、やらなければいけない支援や面談はあるでしょう。しかし、こちら側から積極的に関わろうとせず、訪問回数を減らしたり、本人や家族でできることは自分たちでやってもらう体制を整えたりすることはできないでしょうか。

利用者さんとの関係がうまくいっていない場合、支援者が離れると利用者さんの状態が落ち着くという場合もあります。利用者さんにとっては、支援者に頼っているうちに、「何でも言いたいことを言って良い存在」になっていることが時々あります。しかし、もちろん支援者にも人権はあるので、自分自身のことを守るということも大切です。

長い支援関係の中では、いったん距離を置いて様子を見てみるのが良い時期もあります。少し離れると、ご本人が困り感に気が付き、支援の必要性を感じてくれることもあります。

 5,バーンアウトを防ぐための方法4―行政も味方につけておく

支援者側が困難事例と感じるケースは、福祉サービスや支援制度に不満を持っている場合が往々にしてあります。筆者の経験上でも、支援がうまくいっている時は特に困難事例と感じません。

支援者とご本人との間で心理的に緊張状態が生じているからこそ、支援者側としては「支援困難」と感じてしまいます。

そこで、ご本人は支援で不満に感じることを行政などへ訴え出るということも想定されます。そんな状況の中では、「もし行政にクレームを言われたらどうしよう」と不安に感じること自体がストレスとなってしまいます。ですから、あらかじめ普段から顔なじみとなっている行政の担当者にも、ご本人から何か訴えがあるかもしれないということを伝えておくと、少し安心できます。

行政に対してご本人が不満を実際に訴えた場合、その言葉の中に何か支援のヒントが隠されていることもあります。 

6,バーンアウトを防ぐための方法5-仕事を休むことを検討する

色々な方法を試してみても、今の仕事がどうしても辛いという時は、休職を検討してみても良いかもしれません。

休職するとなると大げさに聞こえるかもしれませんが、本格的に長期離脱するだけではなく、数日間だけ有給休暇を取得することで、リフレッシュできたり、客観的に自分を見つめなおすことができたりするものです。少し休むことで、再び復帰できる可能性もあります。

有給だけではなく、リフレッシュ休暇などの特別休暇を取得できる場合もあるので、職場の就業規則を見直してみると良いです。

職場に産業医が配置されている場合は、相談することで休職するべきかアドバイスをくれるでしょう。

7,転職を検討することもお勧め

ここまで、社会福祉士がバーンアウトしてしまう原因と、その対策についてお伝えしてきました。長く働き続けるにはバーンアウトしないような対策を自ら取っていくことが重要です。

ただし、仕事をある程度休んでも、どうしても辛いという場合は、部署の配置換えを希望したり、転職したりすることを検討してみましょう。どのような選択肢がベストなのかは、状況によりますが、いずれにしても環境を変えることで再スタートを切ることができます。

大きな法人の場合は配置換えしてもらうことで、全く別の職場で働くことが可能になりますね。ただ、小規模の事業所の場合は、配置転換が難しい場合もあります。

その場合は、転職に向けて準備を進めていくことになるかもしれません。

幸い、福祉の現場はどこも人手不足ですので転職には困らないでしょう。

精神的に疲れている場合は退職時に有給を消化することで、少し休んでから転職活動することもできます。ご自分を責めずに、気持ちを切り替えていくことも大切になります。

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