職業指導員に求められる力って?向いているの特徴10選

これから就労継続支援事業所や就労移行支援事業所で働きたいと考えている人の中には、 「職業指導員にはどんな人が向いているのだろう?」と思う人もいると思います。

この記事では、社会福祉士として、様々な就労支援事業所を見てきた筆者が、「職業指導員にはどのような力が求められるか?」という疑問に答えていきます。

筆者のプロフィールはこちらhttps://fukushilabo.com/zikosyokai/
目次
  1. 職業指導員の仕事って?
  2. 仕事を締め切りまでに終わらせる力
  3. 利用者さんの適性を見極める力
  4. 品質を管理する力
  5. 売れる商品を考えられる力
  6. 利用者さんの生活面についても考えられる力
  7. 利用者さんの家族ともしっかりやり取りできる力
  8. 利用者さんの一般就労の可能性を見出せる力
  9. 利用者さんとの接し方に気を付けられる力
  10. 利用者さんと程よい距離感を保てる力
  11. 仕事と利用者さんの両方を考える力


職業指導員の仕事って?

職業指導員は障害者に仕事を提供する就労継続支援事業所において、利用者さんと一緒に仕事をする職種のことです。利用者さんと共に作業をこなしつつも、全体の進捗状況を確認し、製品を仕上げることが求められる、大切な仕事です。

職業指導員になるには、特に資格や実務経験は不要となっています。そのため、福祉系の学校を出たばかりの新卒の方や、異業種から転職する方が、福祉業界ではじめに就く職業として選ばれることの多い職種でもあります。

それでは、ここからは早速、職業指導員に求められる力10選を紹介していきます。

仕事を締め切りまでに終わらせる力

就労継続支援事業所では、外部から業務の委託を受けたり、自主製品を販売したりしています。そのため、特に委託された製品を納品しなければならない時には、締め切りが設定されていることがほとんどです。

締め切りをきちんと守れないと、いくら障害者福祉に理解がある企業であっても、信頼関係を構築するのは難しくなってしまいます。最悪の場合は、次回から仕事を発注してもらえなくなる恐れもあります。

そのため、職業指導員には、締め切りを意識して段取りを整える調整力が必須になります。

利用者さんの適性を見極める力

就労支援事業所では、より多くの利用者さんが活躍できる場を作れるように、作業を細分化していることが多いです。全ての行程を行うのは難しくても、一部の単純作業なら携われるという利用者さんが多いからです。

そのため、どの利用者さんに、どの作業を行ってもらったらよいか、適性を見極める力が求められます。

もちろん利用者さん自身が自分の好きな作業に従事できるのが理想なのですが、どうしても障がい特性上、作業を進めようとなると、「やりたいこと」よりも、まずは「できること」を任せる場面も出てきます。少しずつステップアップして、ご本人が「やりたいこと」を目指せるようにするのも、職業指導員の腕の見せ所です。

品質を管理する力

就労支援事業所の中には、パンや木工作品など、自主製品を販売しているところが多くあります。お客様を相手に販売しているため、就労支援事業所は品質を一定に管理し、売り上げを立てていくことを考えていかなければなりません

福祉事業所で生産された製品を購入するお客様は、チャリティーのつもりで買ってくれる方も多くいます。しかし、そこに甘んじて「安かろう悪かろう」の製品を作っていては、工賃を上げることはできません。

きちんと品質を管理し、リピーターになってもらうことが、利用者さんにとってもお客様にとっても良いことなのです。

売れる商品を考えられる力

ここまで、就労支援事業所に勤める職業指導員が、利用者さんに行ってもらう作業をどのように管理するべきかについてお伝えしてきました。

自主製品を制作している場合、さらに工賃を上げるためには、「売り上げを伸ばすためにはどうしたら良いか?」という視点から考えることも必要となります。

マーケティングの知識を身に着けることも役に立つでしょうし、営業や販売の仕事をしている友人からアドバイスをもらったりすることもお勧めです。

また、季節ごとに売れる商品があるので、クリスマス時期やハロウィンなど、日本の四季やイベントに合わせた製品づくりを心掛けることも良いでしょう。就労継続支援B型事業所では、利用者さんの工賃が高いほど、事業所に入る収益も高くなっていくように制度設計されているので、法人にとってもメリットとなります。

利用者さんの生活面についても考えられる力

就労支援事業所で勤めていると、つい利用者さんが事業所に通ってくる時間帯だけのことを考えてしまいがちです。

それだけでも、利用者さんの仕事に就いて、考えることは沢山あるからです。確かに就労支援事業所の役割としては、日中活動や作業を提供することなので、それでも十分なのですが、より視野を広げ、生活面のことも気にしてあげるようにすると、職業指導員として優秀だと評価されやすくなります。

例えばグループホームでの様子はどうなのか、生活支援をしている職員と情報共有することで、利用者さんの新たな姿が見えてくることがあります。就労支援事業所で落ち着かない様子だったとしても、グループホームでの出来事が原因だったと分かれば、支援方法や対応も変わってくるかもしれません。

利用者さんの生活と仕事は繋がっていることを意識してみると良いでしょう。

利用者さんの家族ともしっかりやり取りできる力

職業指導員として利用者さんのことを支援していくためには、ご家族との連携・協力が不可欠です。

利用者さんとご家族との関係性が悪く疎遠になっていたり、すでにご家族がいなかったりする場合もあると思うので、できる範囲から始めてみると良いでしょう。

家族にはそれぞれ色々な形があるので、関係性が悪いからと言って、無理に介入する必要はありません。

もしご家族との関係性が良好であれば、利用者さんのことを教えてもらうなど、協力してくれる場面は沢山あると思います。

折に触れて、職業指導員から、利用者さんの事業所での様子を報告するなど、コミュニケーションを取っていくことが求められます。

利用者さんの一般就労の可能性を見出せる力

就労継続支援事業所の利用者さんの中にも、一般就労できる可能性を持っている方がいるかもしれません。比較的軽度の利用者さんが多い事業所と、そうでないところがあるので、一概には言えません。

しかし、利用者さんの人生を長いスパンで考えた時、色々な可能性を見出した方が、職業指導員としても、やりがいが出てきます

毎日通ってくる利用者さんと接するだけでも精いっぱいという方もいるかもしれません。

しかし、特に若い利用者さんは、これからの人生がまだまだあります。事業所を利用する以外の可能性について、一度議論してみることが大切です。

利用者さんとの接し方に気を付けられる力

就労支援事業所において、職員は全体の作業量を管理する立場なので、利用者さん達に対して、仕切ろうとしてしまう場合があります。

職員と利用者さんの関係性においても、上下関係が生まれやすいことが、就労支援事業所で働く上での難しさでもあるでしょう。

利用者さんとはあくまで対等な立場で接するよう心掛けることが大切です。職業指導員も人間ですから、仕事の納期が迫っていると、慌てたり、イライラしたりしてしまうこともあるかもしれません。

しかし、利用者さんに仕事を強制したり、強い口調で接したりしてしまうと、虐待につながってしまう恐れもあります。気持ちを落ち着けて、いつも丁寧に接する力が求められます。

利用者さんと程よい距離感を保てる力

長年利用者さんと接していると、特に同年代の利用者さんとは仲良くなり、距離感が近すぎてしまうこともあります。

利用者さんと共通の話題があり、仲良くなること自体は悪いことではありません。むしろ、仲良くなることによって利用者さんが心を開いてくれ、信頼関係につながることもあります。

ただ、距離感が近いと住所を聞かれたり、過度な要求をされたりして、職業指導員側が困ってしまうこともあります。「住所を聞かれたら、こう返そう」と、あらかじめパターンを用意しておくと返答に困らなくて済みます。

適度な距離感を保とうとする意識をいつも頭に入れておくことが大切です。

仕事と利用者さんの両方を考える力

ここまで、利用者さんとの接し方や関係性について、解説してきました。職業指導員はただ仕事を提供して管理していれば良いという仕事ではないということが、お分かりいただけたでしょうか?

このように、職業指導員は作業のことだけ考えていても支援がおろそかになってしまいますし、利用者さんのことだけを考えていても、現場が回らなくなってしまいます。

両方のバランスを取ることを意識することが求められますね。

頭をフル回転させるため、慣れないうちは思っていたよりも仕事が多くて、大変だと感じるかもしれません。しかし、利用者さんの成長をそばで見守ることができるため、やりがいは大きいと思います。

職業指導員として仕事を続けていくために、この記事が参考になれば幸いです。

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