社会福祉士や精神保健福祉士になるなら、資格を取得できる専門学校を目指そうと考える人もいると思います。
しかし、その後の長い人生を考えると、大学を卒業しておいた方が有利になることが多いのです。筆者は大学卒業後、社会福祉士・精神保健福祉士の資格を取得し、その後福祉系の大学院を修了したので、そのことを実感することが多くあります。
この記事では、福祉の仕事に就くとしても、大学を卒業するべき5つの理由について、解説していきます。
- 福祉職なら専門学校で良い?【結論】大学をお勧めする5つの理由
- (1)「大卒」の資格が得られる
- (2)大学院進学などステップアップが望める
- (3)福祉職以外の就職先も目指せる
- (4)難関大の名前があれば転職・副業しやすい
- (5)大学の仲間はその先の人生でも財産に
- 〈結論〉大学は入試があるけど、乗り越えれば人生楽になります
福祉職なら専門学校で良い?【結論】大学をお勧めする5つの理由
この記事を読んでいる方は、これから大学に行くか専門学校に進学するか、迷っている方(あるいはその保護者の方)が多いかと思います。進路はその後の人生にも関わるので、すごく悩みますよね。
今回の記事では筆者の体験も基にしながら、学歴による所得や、人生の豊かさに差が出てくるという内容になっています。
かなり現実的なテーマですので、若い方にはちょっと厳しい面もあるかもしれませんが、ぜひ現実を受け止め、進路の参考にして頂ければ幸いです。それでは早速、福祉系の仕事を目指すとしても、大学進学をお勧めする5つの理由を紹介していきます。
(1)「大卒」の資格が得られる
大学に進学する1番のメリットは、大卒の資格が得られることです。
ベンチャー企業や外資系では実力主義が採用され、大学名や年齢に関係なく仕事ができる人がどんどん昇進していく傾向にあります。しかし、日本ではまだまだ学歴社会が根強いので、大卒の方が何かと有利な仕組みになっています。
実際に求人を見てみると分かるのですが、社会福祉法人に就職した場合でも、大卒と専門学校卒では初任給が異なることが少なくありません。そのうえで、社会福祉士や精神保健福祉士などの資格を得られれば、さらに資格手当もあります。
大卒という資格や国家資格があるだけで、何もしなくても毎月、少しずつ給料に差がつくという仕組みになっているのです。
確かに専門学校の中にも「大卒の資格」を得られるというところもあるようです。しかし、あくまで「大卒相当」と見なされるだけで、履歴書には「大学卒業」とは書けません。
(2)大学院進学などステップアップが望める
大学を卒業していれば、その後、大学院に進学するなど、さらなるステップアップが望めます。大学院の入試を受ける条件に「大学を卒業、または同程度の学力が認められること」と表記されていることが多くあるからです。大学卒業後、すぐに大学院に行かなくても、社会人入学することもできますよ。
大学院を修了すると、どんな良いことがあるかというと、福祉関係の中でも現場の支援だけではなく、さまざまな仕事が受けられるようになることです。それだけ、専門性が認められるということになります。
例えば、大学の教授や社会福祉系の講師などの仕事に採用されやすくなり、年収アップの可能性も見込めます。実際に筆者も大学院を修了することで、専門学校の非常勤講師の仕事を見つけることができました。
また、社会福祉法人で働いていても、大学院を修了する人は少ないので、職場からの評価も上がり、場合によっては昇給のチャンスがあります。
(3)福祉職以外の就職先も目指せる
大学を卒業すると、福祉の仕事以外にも視野を広げて就職活動しやすくなります。社会福祉学を専攻していても、一般企業で営業や事務など、福祉以外の仕事をしている人もたくさんいますからね。
就職活動の時期になると、大学生向けや大学新卒向けの就職フォーラムがあるのですが、参加対象が「大学生」と限定されており、専門学校生は参加できない場合もあるのです。
今は「福祉の仕事をするために、福祉の学校に行きたい」と考えていても、実際に大学に入ってから、やっぱりほかの分野に興味が出てくることもあるでしょう。
オススメは福祉系大学ではなく、総合大学
夢や目標が変わった時に、社会福祉以外の分野も目指せるほうが安心です。
大学には、福祉系の学部しか設置していない単科大学もありますが、経済学部や農学部、法学部など、色々な学部がある総合大学の方をお勧めします。
総合大学の場合、他学部の授業を受けることができるところもあり、その場合に関心が変わる可能性は大いにあり得ると思います。就職活動中にも色々な求人を見ていく中で、営業やマーケティングなどに関心を持つことも、可能性としてはあるでしょう。
途中で目標が変わることは悪いことではありません。若いうちは可能性を広げておいた方が安心かと思います。
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(4)難関大の肩書があれば転職・副業しやすい
社会福祉学部のある大学は数多くありますが、どこを受けるべきか、迷っている方もいると思います。
筆者の経験上、できるだけ難関大にもチャレンジして、できれば偏差値の高いところに入学することがオススメです。筆者は国立大学出身ですが、転職する度にそのことが評価され、転職が成功してきたと実感しています。Fランと呼ばれるような、簡単に入れる大学だと、転職する時に苦労する場合もあります。
これまで解説してきた通り、大学卒業後、そのまま福祉系の仕事に就いたとしても、やっぱり別の仕事がしたいと思うこともあると思います。
その時に、難関大出身の肩書があれば、「潰しが利く」ので、転職や副業をしやすいからです。
最近は副業解禁の流れを背景に、副業から本業にして、フリーランスになる人もいます。このように、最初の仕事でつまずいても、学歴があれば別の道でやり直しがしやすいというメリットがあります。
転職市場で評価されるためにも、可能性を広げておいた方が良いので、「福祉系の大学で資格が取れるならどこでも良い」という訳ではありません。
(5)大学の仲間はその先の人生でも財産に
福祉系の専門学校だと、ほぼ全員、福祉系の職場に就職することになるでしょう。
確かに福祉に関して専門性があり、業界の中にたくさん知り合いがいるということが強みになる場合もあります。
しかし、大学では色々な学部やサークルでの仲間ができるので、幅広い分野で活躍する人と知り合いになれるというメリットがあります。
筆者も大学卒業後、商社や銀行、市役所、教育関係に勤務している友人が多く、そのことが仕事に生きることがあります。実際に市役所勤務の友人が福祉担当になった時に一緒に仕事をしたこともあり、人のつながりが重要なのです。
このように直接仕事に関わらなくても、海外で働く人や、建築事務所を立ち上げた人、市議会議員になった人など、様々な人がいるので、友人と会うと刺激をもらえます。
色々な分野の仲間と知り合うためにも、単科大学ではなく、総合大学を目指すことがオススメです。
〈結論〉大学は入試があるけど、乗り越えれば人生楽になります
大学と専門学校に入る段階での違いは、「入試で落ちる可能性があるかどうか」、ではないでしょうか。
青春時代を投げ打って一生懸命勉強したにも関わらず、大学受験に失敗する人は沢山いるので、確かに受験は大変なことだと思います。
専門学校でも学科試験を科しているところもありますが、落ちる人はほとんどいません。
それでは、同じ国家資格を取得できるなら、専門学校には行った方が楽で、大学に入るのは大変じゃないか?と考えるかもしれません。
しかし、高校3年生の1年間頑張るだけで、大学卒業後の人生60~80年が、より豊かになると考えると、大学受験はお得な制度とも言えます。
入試は勉強さえがんばれば合格できる可能性があるので、誰にでもチャンスがあり、ある意味では平等な制度と言えるでしょう。
大学共通テストの結果で出願できる大学もたくさんあるので、色々な可能性を広げるためにも大学入試にチャレンジしてみてほしいと思います。
そして、将来的に福祉の仕事を目指すなら、どんな仕事があるのか、待遇はどれくらいなのか、現実を受け止めるためにも、まずは求人を見てみましょう。
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