相談支援専門員になりたての方の中には、計画相談を任されモニタリングをすることになったけど、どうやって書類を作れば良いのか自信がない…もいると思います。
筆者も相談支援事業所で働くことになってから、計画相談のケースを任され戸惑った経験があります。専門員になるための研修は受けたけど、実際に面談を行ってみると困り感が出てくることもあるでしょう。
そこでこの記事では、モニタリングをスムーズに進めるポイントについて、解説していきます。
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- 1,相談支援専門員がモニタリングを行う時のポイント5つ
- 2,聞き取りは時間に余裕をもって行う
- 2-1 締め切りを守るようにする
- 2-2 急な延期・中止に備える
- 3,前回までの資料に目を通しておく
- 3-1基本情報を知る
- 3-2担当が変わることを伝える
- 4,何も変化が無くてもOKと捉える
- 4-1ありのままを受け止める
- 4-2 待つことが大切
- 5,現場の支援員の考え方・現状を受け止める
- 5-1支援への疑問を持つ
- 5-2現場の支援員に敬意を表する
- 6,計画相談の限界性を受け止める
- 6-1 関わり方を理解する
- 6-2 大きな課題がある時の対応
- 7,直接支援の方が面白い?
1,相談支援専門員がモニタリングを行う時のポイント5つ
福祉の仕事の経験はある程度あるけど、いきなり相談支援専門員になることになり、「自分に放蕩にできるのか?」と、困っている方は少なくありません。自ら希望していなくても、所属法人の都合などで相談支援専門員として配置されたり、異動したりすることがあるからです。
しかし、仕事である以上、やらなければいけないということもあるでしょうし、どうせならスムーズにできると良いですよね。
ここからは、相談支援専門員としてモニタリングを行う時のポイントを5つ紹介していきます。
2,聞き取りは時間に余裕をもって行う
2-1 締め切りを守るようにする
ご存知の通り、モニタリングには実施する時期が決まっており、その月内に提出しなければなりません。翌月まで待ってくれる自治体もありますが、中には「遅くても翌月の10日までに提出が無ければ、事業所からの請求を認めない」と独自のルールを設けているところもあるので、注意が必要です。
件数が多いとどうしても月末ギリギリになってしまうこともあるでしょうが、郵送してから役所に届くまでの日数なども考慮して、余裕をもって作成するようにしましょう。どうしても間に合いそうにない時は、事前に担当者に遅れそうな胸を連絡しておくことが大切です。
2-2 急な延期・中止に備える
筆者の場合は、前月の下旬からおよそのスケジュールを立て、聞き取りの日程調整を行っていきます。その際、モニタリング月の中旬ではなく、できれば上旬に日程を設定するようにしています。
利用者さんの体調不良や事業所の都合などによって、急遽聞き取りが中止になり、延期せざるを得ない事態が時々発生するからです。
筆者自身もコロナワクチンの副反応で発熱してしまい、モニタリングの面談を延期してもらったこともありました。
万が一そのようなことになっても、再度日程を調整して中旬までに聞き取り、下旬までに書類を完成させ、ご本人の同意サインをもらい、月末までに提出、という流れに間に合うようにしておきます。
前回までの資料に目を通しておく
3-1基本情報を知る
初めて担当する利用者さんについて、初めは何も分からないということもあるかと思います。
面談前には、必ず前回までのモニタリングや、アセスメントの資料などに目を通しておくことが必須です。前の担当者から注意点を聞いておくのも有効でしょう。
そうすることで、少なくとも障害特性や年齢、最近の状況など基本的なことを理解できます。
3-2担当が変わることを伝える
初めて面談するときは、できれば前回までの担当者についてきてもらい、担当が変わることを事業所の支援員とご本人に伝えた方が良いでしょう。
中には担当が変わることに対して、嫌がる方もいます。後からクレームにならないよう、日程調整の連絡をする段階で、担当が変わることを伝え、面談で会った時に再度説明し、必ず同意を得るようにします。
筆者が受け持っていたケースの数が多かったので、一部を他の相談員に頼もうとしたことがありましたが、「同じ人にずっと担当していてほしい」という利用者さんが思っていたよりも多かったことが驚きでした。同意を得ずに事業所の都合で担当者を変えていたら、クレームになっていたかもしれないと思うと冷や汗が出ます。
4,何も変化が無くてもOKと捉える
4-1ありのままを受け止める
モニタリングの聞き取りでは近況を聞くので、何かこれまでと違ったことや変化、成長したことなどを引き出そうとしがちです。基本的にはその姿勢は正しいのですが、状態が安定しており、色々質問しても「特に何も変わっていない」という返事のこともよくあります。
相談支援専門員としては次の目標を立てるためにも、ご本人の希望を聞きますが、これについても「特にない」「今のままでよい」という返事のこともあります。
まずはそのことを受け止めることが大切です。筆者は「今の状態がご本人にとって良い環境なんだな」と思うようにしています。これができないと、ジレンマやストレスを感じてしまいます。
4-2 待つことが大切
相談支援専門員として、ジレンマを感じる例を一つ紹介します。
時々、就労支援事業所の利用者さんの中には、周囲から見ると「一般就労できる力があるのにな」と感じる方もいます。しかし、一般就労に就くためのプロセスをいくら説明しても、ご本人は「今の事業所を利用し続けたい」と話す場合もあるのです。
その場合は、経済的な状況にもよりますが、ご本人の意思を尊重するようにしています。ご本人から「もっと稼げるようになりたい」と希望が出てくるのを待つことも大切だと思うからです。ご本人のモチベーションが湧くことが、支援のスタート地点となるのではないかと思います。
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現場の支援員の考え方・現状を受け止める
5-1支援への疑問を持つ
相談支援専門員として、ご本人のことを支援している事業所の職員にも話を聴くことがあると思います。その際、相談支援専門員はモニタリングで半年に1回しか訪問しないので、現場の支援の在り方について話を聴くと、「その支援で本当に良いの?」と感じることが時々あります。
もちろん、素晴らしい理念や豊富な経験を持っていて、支援の手法に感銘を受けることもあるでしょう。
しかし、人手不足の中支援に当たっている事業所もあるので、時々「この事業所は大丈夫かな」と感じることが無くはない、というのが現状です。
疑問に感じるということは、相手を客観的に見ることができている証拠なので、「新たな面を発見できた」と前向きに捉えてよいと思います。事業所の課題点はモニタリングの書類に記入するわけにもいかないので、特記事項は別の書類にメモ書きで残し、計画のファイルに保管しておくと良いでしょう。
5-2現場の支援員に敬意を表する
疑問に感じたことは、角が立たない程度に事業所に質問することも大切です。そうすることで、これまで事業所内で当然とされてきたことが、常識から外れていると気づく場合もあるからです。
ただし、相談支援専門員と直接支援の支援員の関係は今後も長く続くので、上から目線にならないように気を付けます。できていない部分を指摘してばかりだと、最悪の場合、トラブルに発展する危険性もあるからです。事業所から「もう来ないでください」と、いわゆる出禁になってしまうかもしれません。
現場の支援員にもそれぞれの事情がありながら日々の支援をしていますので、まずは精いっぱいの敬意を表すようにしています。
計画相談の限界性を受け止める
6-1 関わり方を理解する
正義感を強く持って計画相談を一生懸命行うと、利用者さんの生活をよりよくしたいと感じると思います。
しかし、実際に支援を行うのは、相談支援専門員ではないというところに、もどかしさを感じることもあるでしょう。筆者自身も、モニタリングで聞いていて「もっとこうしたら良いのに」と思ってしまうことも多々あります。
しかし、相談支援専門員としては計画相談の枠組みの中でしか関わることができないというケースもあります。
いくら理想論をモニタリングの書類に記入しても、実行されなければ何も変わらないということも実際にあります。利用者さんとの関わり方や現実を理解しつつ、関わっていくことが大切です。
6-2 大きな課題がある時の対応
現状の支援の中で、なにか重大な課題が発生した時には相談支援の力が発揮されます。支援を受けているにも関わらず課題があるということは、現状の支援の中では支えきれていない部分があるということだからです。
特に利用者さん1人に対して多くの支援が入っている時は、関係者で情報共有する必要性が出てくる場合があります。その際は、相談支援専門員が中心となってケース会議を開くという対応になることもあるでしょう。
このように、課題が発生した時には特に、計画相談の意義が発揮されます。
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7,直接支援の方が面白い?
多くの利用者さんは現状の支援の中で生活を続け、特に問題がないという方がほとんどです。ですから、相談支援専門員の中には「相談支援より、現場の直接支援の方が面白いし、やりがいがある」と感じる方も少なくないようです。
もちろん、相談支援専門員の中にも考え方の違いや、業務に対する向き・不向きはあるでしょう。しかし、相談支援専門員として働いている以上は、その業務にやりがいを見出せた方が、楽しく働き続けられると思います。
すぐに「私は向いていない」と決めつけるのではなく、まずは続けてみることも大切ではないでしょうか。
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