福祉職が地方移住するデメリット5選 対策も併せて紹介

社会福祉士の結婚・育児

福祉の仕事をしている人の中には、ちょっと疲れてきて、自然の中で暮らすことに憧れ、地方に移住することを検討している人もいると思います。

しかし、都会から地方に引っ越しするのも大変な手間ですし、見知らぬ土地で住むのは不安に感じると思います。

この記事では、実際に社会福祉士として働き、都会から人口数万人の地方に移住した経験のある筆者が、「田舎暮らしに不便さはないか?」「人間関係は面倒じゃない?」という疑問に答えていきます。

筆者のプロフィールはこちらhttps://fukushilabo.com/zikosyokai/
目次
  1. 福祉職が地方移住するデメリット5選
  2. (1)都会に比べて就職先は少ない
  3. (2)人間関係が濃い
  4. (3)新しい取り組みをしている法人が少ない
  5. (4)若い人や資格を持っている人が少ない
  6. (5)業務の中で送迎対応が多い
  7. 〈結論〉地方移住のデメリットよりメリットが大きい

福祉職が地方移住するデメリット5選

筆者は基本的には福祉職が地方に移住するメリットが沢山あるので、移住をお勧めしています。しかし、何事にもメリットとデメリットがありますよね。

筆者もそうでしたが、地方移住も人によってはストレスに感じる場面があるかもしれません。

この記事では、福祉職が地方移住する時に感じる可能性のあるデメリットを5つ紹介していきます。さらに、実際に移住した経験を基に、地方で楽しく生活していくために、デメリットに対する対策をお伝えしていきます。

(1)都会に比べて就職先は少ない

どの業種でもそうですが、都会に比べて就職先は限られているという点が大きなデメリットだと思います。

しかし、福祉の仕事であれば、田舎にも入所支援施設や通所施設、ヘルパーステーションなど、色々な職場があります。

福祉職の中でも色々な仕事がありますが、希望する職種によってはあまり職場を選べないかもしれないという点は注意が必要です。たとえばケアマネなどの相談支援の仕事は、地域に1か所しか事業所がないという場合もあります。その事業所が求人を出していない場合は、希望する職種に就けなかったり、求人が出るまで待たなくてはいけない可能性もあります。

都会の場合、上司と合わなかったり、運営方針に賛同できなかったりする場合、他にも職場が沢山あるので、すぐに転職することも可能なのではないでしょうか。

地方にいると、転職したくなっても、ほかの法人の働き方について、色々な噂を聞くことがあります。悪い噂を聞いてしまった場合は、「ほかの法人に移ってもなぁ…」と感じてしまい、結局転職できないということもあり得ます。

対策としては、移住する前に、自分が希望する事業を運営している法人が複数ある地域を選ぶことです。そのためには移住前に、どのような就職先があるか下調べすることが大切です。

(2)人間関係が濃い

「田舎暮らしあるある」ですが、職場の上司と市役所の人が親戚だったり、学生時代の同級生だったりと、人間関係がとても濃いのが特徴です。筆者も移住してからは、「この町の人たちみんな知り合い同士なのか?」と戸惑ったことがあります。

都会であれば、同僚も色々なエリアから通勤していることがありますが、田舎ではおよそ住んでいる地域も同じですから、仕事後にスーパーで職場の人に会うこともしばしばあります。

福祉の仕事では、個人情報の保護は必須ですが、利用者さん同士が繋がっていたりもするので、いつの間にか話が広まっているという場合もあります。

すぐに噂になってしまうので、福祉職としても下手な対応ができないという点は要注意ですね。

はじめは人間関係の濃さに驚くだけではなく、誰と誰が繋がっているのか、覚えることに必死になってしまうこともありました。

とはいえ、「地元民に嫌われてはいけない」と思って、おっかなびっくり暮らしているとストレスがたまる一方です。

対策としては、肩の力を抜いて普通に仕事を行い、誠意ある対応をしていれば大丈夫です。

(3)新しい取り組みをしている法人が少ない

都会では、就労継続支援事業所でeスポーツに取り組むなど、先進的な取り組みをしているところがあります。そういう事業に新たな可能性や、魅力を感じる人もいると思います。

しかし地方では、そのような新しいことに取り組む法人はかなり少ないと言えます。

どちらかと言うと、就労継続支援事業所では内職作業やクッキー・パンの製造販売など、昔ながらのことをやっている法人が多いのが現状です。

昔からずっと同じことをしているので、新しいことにチャレンジするのに、すごく腰が重い印象があります。

都会から移住してきた新入りの職員が、新たなことを提案しても意見が通らないこともあるでしょう。

言われた通りに仕事をしているのが好きな人は、無理なく働き続けられるかもしれません。

しかし、「自らイベントを企画するのが好き」など、積極的に提案していきたいタイプの方にとっては、やや物足りなさを感じる可能性があります。

とはいえ、同じ職場で働き続けていればチャンスは巡ってくるものです。

筆者も仕事に慣れてきた段階で、上司がアイディアを募っているタイミングで、自分の意見を提案したことがあります。

対策としては、始めは職場の方針に賛同できないことでも、まずは仕事を続けてみて、チャンスを狙うことが大切です。

(4)若い人や資格を持っている人が少ない

田舎に住んでいると、どうしても高校や大学卒業後に若い人が職を求めて都会に出て行ってしまうので、20~30代が極端に少ないということがあります。筆者が住んでいる地域には大学がないので、高校生たちは卒業と同時に都会の大学や専門学校に進学し、その後、都会で就職したまま戻ってこないケースが圧倒的に多いです。

子育てをしていると、同年代が少ないと感じ、肩身の狭い思いをする場合もあるかもしれません

子育て支援センターなどに行くと同年代に会えるので、移住先で友達を見つけるためには、積極的な行動が必要になるでしょう。

子育て世代が少ない環境の中で同じ立場の人に出会うと、仲良くなりやすいケースもあります。

また、社会福祉士や精神保健福祉士など、国家資格を持っている人も不足しており、何かと仕事を任されることもあります。例えば筆者は、資格を持っている人が優先して出席する研修に出るよう頼まれたことがありますが、繁忙期だったのでちょっと困りました。

(5)業務の中で送迎対応が多い

田舎に住んでいると、どうしても都会に比べ車移動が必須になってきます。

利用者さんの中で車を運転できる人はほとんどいません。

特に車いすユーザーの方は、都会では地下鉄に乗っている姿も見受けられますが、田舎では、ほぼ車移動になってきます。

中には「タクシー代わりに使われているのではないか?」と思うほど、利用者さんから送迎を依頼される場合もありました。

断りたくても、実際バスが1時間に1本程度しかないという実情があるので、場合によっては送迎しなければならないこともあります。

車での送迎時間が多くなると、「これが社会福祉士としての仕事なのか?」と疑問に思うこともあります。対策としては、安易に送迎を引き受けないようにし、利用者さん本人が、公共交通機関やタクシーを使えないか、再度考えていくことです。

〈結論〉地方移住のデメリットよりメリットが大きい

この記事では、福祉職が地方に移住して暮らすことのデメリットについて紹介してきましたが、都会に比べ生活費が安く抑えられるなど、メリットもたくさんあります。

筆者としてはデメリットよりも、メリットの方が沢山あるので、地方への移住をお勧めします。

福祉職なら地方移住がオススメ!実際に移住して感じたメリット10選https://fukushilabo.com/hukushi-izyu-merrito/

ただし、移住先の候補を選定の上、福祉系の職場が複数あることを事前に調べましょう

移住してから新たな職場を見つけ働き始めても、そこが合わなかった場合、同じエリアで社会福祉法人を探すことが必要になる場合もあります。

まずは移住を検討している地域で、どんな仕事があるか探してみてはいかがでしょうか。

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