自分自身がHSP(Highly Sensitive Person、日本語で「とても繊細な人))の傾向があると感じる人の中には、どのような仕事が向いているか、悩む人も少なくないと思います。筆者自身、天候や気圧、人の言葉などによって体調が影響されやすく、HSPの傾向がある中で、社会福祉士として勤務しているので、仕事のことで悩む気持ちがよく分かります。
そこでこの記事では、「HSPの人に社会福祉士の仕事は向いているのか?」という疑問に答えていきます。
- HSPの人に社会福祉士は向いている?オススメの職種も紹介
- 【結論】HSPでも福祉職を続けられるかは職場による
- HSPの人にお勧めする社会福祉士の仕事
- HSPの人にお勧めできない社会福祉士の仕事
- 筆者の経験からも相談支援をお勧め
- HSPであることは職場に伝えるべきかどうか
1,HSPの人に社会福祉士は向いている?オススメの職種も紹介
HSPの気質があると、疲れやすかったり、相手に気を使ったりしてしまうので、「どうしても向かないなぁ」と感じてしまう職種がいくつかあると思います。
筆者も色々なバイトを経験する中で、接客業や営業など、気難しい人も相手にしなければならない仕事は、自分にとって辛いと感じることが多々ありました。
しかし、たとえHSPではなくても、誰にとっても、苦手な仕事や向いていない職種は存在するものです。ですから筆者は、無理して苦手な仕事を続ける必要はないと考えています。できればHSPの気質を持っていても、ストレスが少なく、続けやすい仕事を選びたいものですよね。
それでは早速、HSPの人にとって社会福祉士や福祉の仕事は向いているかどうか、解説していきます。
2,【結論】HSPでも福祉職を続けられるかは職場による
結論から言うと、HSPの人に福祉の仕事をお勧めできるかどうかは、「その仕事内容や職場による」というところが大きいです。
なぜかと言うと、社会福祉士と一口に言っても職種は多岐にわたり、職場によって雰囲気もかなり異なるからです。高齢・児童・障害・触法など、携わる分野によっても、仕事内容も全く異なってきます。
ただ、自分に合っている仕事内容や職場を見つけることができれば、十分仕事を続け、出世することも可能だと思います。
ここからは、HSPの人にお勧めする職場はどのようなところか、紹介していきます。
3,HSPの人にお勧めする社会福祉士の仕事
社会福祉士の仕事は多岐にわたると解説してきましたが、その中でもHSPの人にお勧めする仕事の条件は以下の通りです。
- 事務作業が多い
- 困難ケースを相手にすることが少ない
- 長期間にわたって同じ利用者さんと接する
- どうしても苦手なケースを避けることができる
- 休憩時間が確保されている
- 残業が少なく定時で帰りやすい
- 自分でスケジュールを調整しやすい
- 外勤があり、職場の人と離れる時間を確保できる
- 外勤時に1人で一服することができる
これらのお勧めできる条件に当てはまる、社会福祉士の仕事は、指定特定・相談支援事業所の相談支援専門員や、高齢者のケアマネージャー、介護認定調査員などです。
ちなみに、指定特定・相談支援事業所は、いわゆる計画相談のみを行っている事業所のことです。指定一般も行っている事業所だと、仕事内容の幅が広くなるので、より多忙になり、ルーティーン以外の仕事も入ってきてしまうことがあります。
いずれにしても、HSPの人には直接支援ではなく、相談支援の仕事をお勧めします。
1人の時間を持てることが大切
これらの仕事であれば、利用者さんが常に一緒にいることはないので、ちょっと疲れた時に1人で小休憩を取りやすいというメリットがあります。事務作業も直接支援の現場に比べて多めになるので、きっちりとした仕事をコツコツできるHSPの人に向いていると思います。
また、自分自身でほかの事業所や利用者さんとスケジュールを調整して、面談の日程などを決めることができるので、比較的有給も取りやすいでしょう。
そういう意味では、HSPの人以外にも、育児や介護と仕事を両立したい人などにもお勧めできる仕事です。
相談支援専門員の仕事が育児と両立しやすい理由5選 https://fukushilabo.com/soudan-ikuzi/
4,HSPの人にお勧めできない社会福祉士の仕事
逆にお勧めできない仕事は、上記の条件の逆ということになります。
求人票を読むだけでは分かりにくい部分もあるかもしれませんので、求人に応募する時は事前に職場を見学させてもらってから面接に進むと良いでしょう。
具体的なおすすめできない仕事は、入所・通所の施設や事業所での肉体労働や、困難ケースを扱っている基幹相談支援センター、精神科病棟のワーカーなどです。
入所・通所の事業所ですと、高齢や児童などの分野に関わらず、利用者さんと常に一緒に過ごすことになります。
ほかの人よりも、色々なことに気が付くという点では、その特徴を生かして働いていくと、優秀な職員になれると思うのですが、その場で即座に判断する力が求められ、HSPの人にとっては刺激が強すぎて疲れてしまうことが難点です。
また施設や事業所では利用者さんに食事を提供することがありますが、昼休憩は利用者さんと食事を一緒にとって終了、という事業所も少なくありません。また、職員の数が限られ、人手不足の事業所が多いので、休みにくいというのも難点です。
HSPの人には、やはり休憩時間をしっかりと確保し、できれば1人で深呼吸しながら、お茶でも飲める時間があった方が良いと思います。
また、困難ケースを多く扱わなければいけない基幹相談支援センターに勤務すると、利用者さんの言動に振り回されてしまう恐れがあります。社会福祉士として長年経験を積み、自信があるのでしたら大丈夫かもしれません。しかし、社会福祉士になって、いきなり基幹相談支援センターに勤務するのは、HSPでなくても大変なことだと思います。
【マニュアル決定版】福祉の仕事で利用者の通院同行する時のポイント5選
5,筆者の経験からも相談支援をお勧め
実際に筆者も、以前は通所事業所で勤務していたのですが、かなり体力と神経を使う仕事で、ほかの職員に比べてバテやすく、向いていないと感じました。さらに最近では利用者さんのご家族から強めの要求をされたり、クレームが来たりすることがあるので、そういった対応も、HSPにとっては向いていないと感じました。
その職場では人手不足で、通院するためにも事前に根回ししておかなければ、有給がなかなか取りにくかったので、リフレッシュすることがなかなか難しかったと思いますし、もっと職場の現状を理解してから就職するべきだったと反省しました。
その後、相談支援事業所に転職してからは、ストレスがたまっていても、ほっと一息つける時間があるので、働き続けることができています。
例えば利用者さんのご自宅を訪問後、コンビニでコーヒーとチョコレートを買って、車内で小休憩を取ることができるようになりましたし、昼休憩でも(毎日ではないですが)1人で食堂に行くことができるようになりました。
HSPの人が社会福祉士として働く時のメリットとデメリットを解説
6,HSPであることは職場に伝えるべきかどうか
自身にHSPの気質があると感じる人の中には、職場の上司にそのことを事前に伝えた方が良いかどうか、迷うこともあるでしょう。
ちなみに筆者自身は今の職場には伝えないまま、仕事を進めることができているので、伝える必要性はないと感じています。
HSPのことを理解してくれそうな上司であれば、それとなく伝えておくのもいでしょう。
仕事内容でどうしても配慮が必要な場合は、上司としても安心かもしれません。
しかし、HSP以外の気質だったとしたら、「私はこんな気質を持っています」とあえて上司に伝えることは、あまり無いですよね。ですから、「伝えなければならない」ということもないでしょう。ご自身が上司に伝えた方が安心なのかどうか、伝えるメリット・デメリットを考えてからにした方が良いと思います。
HSPの特性を最大限生かせる
いずれにしても、HSPの気質を持っていても社会福祉士として働くことは十分可能ですし、相手の気持ちを思いやることができたり、小さな変化に気が付きやすいというHSPの特徴を活用すれば、相談支援の現場で活躍することができると思います。
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