介護施設や福祉事業所で勤務している人の中には、多忙な中でも休憩を取れるようになりたいと考えている方もいると思います。筆者も直接支援の現場で働いているときはそうだったので、気持ちがよく分かります。
この記事では、「介護職では、どうしたら休憩を取れるようになる?」という疑問に答え、対策を具体的に9個紹介していきます。
- 対策(1)現場の声を施設長に届ける
- 対策(2)どうすれば休憩を確保できるか職員会議で話し合う
- 対策(3)休憩時間を取ることに職員が遠慮しない
- 対策(4)職員の休憩スペースを確保してもらう
- 対策(5)職員を増員してもらう
- 対策(6)ボランティアに来てもらう
- 対策(7)弁護士や労働基準監督署に相談する
- 対策(8)ほかの施設や事業所への転職を検討する
- 対策(9)相談支援に転職する
- 相談支援なら自分のペースで仕事ができるのでおすすめ
対策(1)現場の声を施設長に届ける
まずは現場の職員がどう感じているのか、施設長に訴えることが大切です。直属の上司に「休憩を取らせてください」と伝えても、その上司に決定権が無ければ、議論が進まないからです。
職場の中で決定権を持っている施設長に対して、現場の職員が不満に感じていることや、休憩を取らせないのは職場としてよくないということを伝えるべきでしょう。
1人で伝えることが難しい場合は、一緒に訴える仲間を作っていくと良いです。「改善されなかった場合は職員としてどう対応したいか」という点も併せて伝えると効果的です。
対策(2)どうすれば休憩を確保できるか職員会議で話し合う
休憩を取りたくても人手不足で休めないので、なかなか現状を変えるのは難しいという場合もあるかと思います。
現実的に、いきなり全員が60分間休めるようになるのは難しくても、まずは1人30分間中抜けできるようになることを目標にしてみるのはいかがでしょうか。その状態が維持できるようになったら、最終的に1人60分の休憩を確保することを目指していくと良いと思います。
職員が集まった時に、どうすれば実現できるか、それぞれがアイディアや工夫を持ち寄ることが大切です。介護・福祉の現場ではまだまだ非効率的な部分があるので、サービスの質を落とさなくても、工夫すれば休憩時間はねん出できると思います。
対策(3)休憩時間を取ることに職員が遠慮しない
普段から休憩を取れないという状況が続いている場合、職員がお互いに休憩を取ることに対して遠慮していることがあります。休憩をしっかりとることは職員の権利であることをもう一度確認し、考え方を変えていく必要があります。
みんなでしっかりと休憩を取ることによって、サービスの質を高めていくことができるということを、研修などの場を活用して学んでいきましょう。
職場の管理者側が、職員が休憩できるシステムを作ることによって、職員も安心して休憩しようという気持ちになることができます。
対策(4)職員の休憩スペースを確保してもらう
休憩を取りたいと思っても、施設の中に職員用の休憩スペースが無いというところもあるのではないでしょうか。
この場合、休憩扱いの時間でも、利用者さんと同じ空間で過ごさなければならないので、気持ちが休まりません。
業務から物理的に離れることが大切なので、休憩スペースを確保してもらうようにしましょう。
例えば、職員室の一角を区切ったり、屋上を開放したりするなど、現存の施設の中で活用できそうなスペースを探してみることがオススメです。
対策(5)職員を増員してもらう
介護・福祉の現場で休憩を取れないのは、人手不足が原因というところも少なくないでしょう。根本的な原因を解消することが大切ですので、法人側に採用に力を入れてもらうように働きかけることが大切です。
職員を増員することで、1人ずつ休憩に回ることが可能になってきます。
また、特にお昼の時間帯に休みたい人が多いでしょうから、お昼の2時間だけパート職員に非常勤扱いで来てもらうなど、工夫することも大切です。
採用がどうしても難しい場合は、総務や管理部門などの職員が支援現場に入り、応援することで、支援員が休めるようにしましょう。
対策(6)ボランティアに来てもらう
職員を増やすことが難しい場合は、短時間だけでもボランティアに来てもらうことも一つの手です。筆者のいた職場でも、ボランティアの方が来てくれる日は職員が1名抜けることができ、週に1回だけでも休憩を取れるようになりました。
そもそも休憩が取れないのは問題なので、週に1回休めるからと言って、根本的な課題解決にはならないのですが、全く休みを取れないよりは良いでしょう。
ピアノ演奏や大道芸人など、利用者さんが楽しめるような出し物をボランティアで披露してくれる人を呼ぶと、現場の体制にもよりますが、職員が複数名抜けても、利用者さんたちを見守ることが可能になります。
対策(7)弁護士や労働基準監督署に相談する
ここまで、休憩を取るために現場の職員ができることについてお伝えしてきました。このような対策を現場の職員が行っても、法人側が全く動いてくれない場合は、自分たちの力だけでは、すぐに改善することが難しいと思います。
その場合は、弁護士や労基署の力を借りることも検討してみても良いかと思います。
弁護士費用をかけるのは負担が大きいと思うので、無料で相談できる法テラスを活用することがオススメです。
また、労基署はいつでも無料で相談を受け付けてくれますし、明らかな法令違反があれば動いてくれます。「相談してもどうせ無理なのでは?」「すぐに動いてもらうのは難しいのでは?」と先入観を持たずに相談してみると良いです。
対策(8)ほかの施設や事業所への転職を検討する
色々な対策は講じてみたものの、改善が難しい場合は、自分自身で働く環境を変えてみることもお勧めです。
直接支援の仕事でも、職員の働きやすさ改善や福利厚生に力を入れている法人があります。
支援内容や理念も大切ですが、働きやすさをテーマに転職先を探してみるのも良いでしょう。
なぜかというと、職員のことを大切に考えている法人は、利用者さんの支援についてもしっかりしているところが多いからです。
福祉のサービスの質は人材にかかっています。そのことを十分認識しているからこそ、サービスの質を高めていくために、職員に安心して長く働いてもらおうと取り組んでいるところがあります。
最近は「採用広報」に力を入れ、どのような働き方ができるのか、積極的に情報を発信している法人もあるので、まずは情報収集してみると良いでしょう。
対策(9)相談支援に転職する
福祉の仕事には大きく分けて直接支援と相談支援に分かれます。「休憩を確保できるかどうか」という点で考えてみると、相談支援の方が圧倒的に休憩を取りやすいです。
直接支援の現場ですと、どうしても現場での活動がルーティーン化されていて、周囲に合わせて動かなければならないですよね。
でも相談支援では、自分で仕事のスケジュールを組むことができるので、休憩時間に利用者さんと一緒にいることがほとんどありません。直接支援の仕事は体力を使うので大変ですが、年齢を重ねるにつれて身体が辛いという方も多いのではないでしょうか。
相談支援は体力面でも、それほどキツくないので安心して長く働くことができます。
相談支援なら自分のペースで仕事ができるのでおすすめ
筆者も直接支援の仕事から、相談支援に転職しました。自分の机でお昼ご飯を食べるので、時々事務所にかかってきた電話を取ることはありますが、直接支援に比べてリラックスできるようになりました。
包括支援センターや相談支援事業所の中には、利用者さんの所へ訪問した後は事業所へ戻らず、自宅でリモートワークができるところもあります。そういった環境であれば、自分の裁量で働く時間も場所も選べるようになり、さらに働きやすいですよね。
やはり、きちんと休憩を確保できると、疲れが溜まりにくく、以前よりも元気に働くことができるようになっています。そうすることで、より一層良い支援ができるようになったと感じるので、働く上ではメリハリが大切なのだと実感します。
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