これから社会福祉士を目指したいという人の中には、「自分は社会福祉士に向いているのか?」と考える人もいると思います。
就職や転職は人生の中でも大きな転機ですから、資格を取る前にどのようなタイプの人が社会福祉士に向いているのか気になると思います。筆者も社会福祉士・精神保健福祉士として勤務し、色々なタイプの同業者を見てきました。
その中には楽しそうに、長く働いている社会福祉士と、そうでない人がいることに気が付きました。
そこで、この記事では、社会福祉士の中でも、どんなタイプの人であれば長く楽しく働いていけるのかという疑問に答えていきます。社会福祉士以外にも、精神保健福祉士や介護士、看護師のお仕事にも通ずるものがあるのではないかと思います。
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- 社会福祉士に向いている人のタイプ5つ
- 仕事で収入よりもやりがいを重視する人
- 相手の立場に立って物事を考えられる人
- 適切な距離感で接することができる人
- 過度な要求を断れる人
- ストレス解消が上手な人
- 自分の考えに合った職場を見つけることが大切
1,社会福祉士に向いている人のタイプ5つ
社会福祉士に向いている・向いていないタイプにはおよその傾向があると思います。しかし、「向いているタイプ」にご自身が全く当てはまらなかったとしても、悲観する必要はありません。なぜなら、この記事で紹介している「向いているタイプ」とは、社会福祉士の仕事をしている中で意識したり、身に付けられたりする考え方が多いからです。
実際、筆者も楽しそうに働いている先輩社会福祉士の背中を見て、意識的に自分を変えた部分もあります。そうすることで、社会福祉士として働き続けることができている気がします。
ですから、「自分は社会福祉士に向いていないなぁ」と思ったとしても、諦める必要はありません。
それでは早速、どんな人が社会福祉士として向いているか見ていきましょう!
2,仕事で収入よりもやりがいを重視する人
福祉の仕事は景気に左右されず、自営業などに比べて安定した仕事が多いですし、求人も多いのが特長です。収入面でも、お金のかかる趣味などが無ければ、十分生活していけると言えます。ただし、民間企業で働いている同年代と比べて、社会福祉士の年収はどうしても低めの傾向にあるのが現実です。
経験を積み、仕事のモチベーションに
仕事は収入を得るための手段でもありますが、「やりがいを感じられるかどうか」や「社会の役に立てているか」という点も、働く上での重要な要素ではないでしょうか。もちろん働く上で、仕事のどの面を重視するかは人それぞれなので、正解はないと思います。
ただ社会福祉士として働き続けるのであれば、収入面ばかり気にしていると段々辛くなっていく人も多いのが現状です。それよりは、やりがいを感じ、「困っている人の役に立てている」と感じられる経験の積み重ねをモチベーションにしていった方が、社会福祉士として仕事を続けられると思います。
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3,相手の立場に立って物事を考えられる人
社会福祉士として仕事をしていく以上、利用者さん(クライエント)の困り感を解消していくことが主な業務であり、仕事の目的となります。
その際、支援者側が考える支援方法に対して、利用者さんが乗り気でない場合もあります。せっかく社会福祉士として、福祉の制度を提案してもうまく利用に繋がらなかったり、利用し始めても長続きしないということがよくあります。
うまくいかないことも多いことを受け入れる
現実社会の中で起きていることや、生身の人間に対応していくのが社会福祉士の仕事なので、綺麗ごとは通用しないと考えていた方が良いでしょう。
そんな時に、社会福祉士が自分自身の考えを押し付けると、お互いの支援関係がうまくいきません。福祉の勉強をしている人であれば「バイステックの7原則」を聞いたことがある人が多いかと思います。うまくいかない時ほど、基本に立ち返って相手の立場に立って考えられる人の方が、社会福祉士に向いていると言えます。
4,適切な距離感で接することができる人
社会福祉士の中には、相手のためを思って一生懸命支援をする人がいます。それについて、悪いとは言いません。
しかし、その考えで突き進むと、時々「支援しすぎ」の状態になってしまうことがあります。例えば自分の休日を使って利用者さんの外出支援をしたり、お金に困っている利用者さんに対して、自分の不用品をプレゼントしたりする行為が当てはまります。
当人は良かれと思って支援しているので、利用者さんが喜んでくれれば満足感も得られ、支援方法について、なかなか見直すことが難しいようです。
過度な支援には注意
距離感を誤り、「支援しすぎ」の状態になってしまうと、どのようなデメリットがあるでしょうか。まず、利用者さんが自立する力を奪ってしまうこと。それから、その社会福祉士が退職したり、担当が変わったりした時に、同じ度合いで支援が続けられないことなど、色々な不都合が出てきてしまいます。
主役はあくまで利用者さん本人です。支援者である社会福祉士はちょっと離れて、適切な距離感で接することができる人の方が向いていると思います。
5,過度な要求を断れる人
高齢や障害など、どのような福祉の分野であっても、共通して言えることがいくつかあります。その中の一つに、利用者さんの要求が少しずつ高まっていくことがあります。
昔と違って、利用者の権利意識が高まっていることが背景の一つにあると考えられますが、時々、自分でできることも支援者にお願いしてこられる利用者さんや、ご家族がいます。
例えば利用者さんに移動手段がないので、福祉事業所をタクシー代わりに使い、買い物先まで無料で送迎してほしいといった要求などです(通院等介助などの福祉移送事業を除く)。
その時に、その要求を「ニーズ」として捉えるか、「無理難題」として捉えるかは、なかなか難しい判断です。
どこかで区切りをつける判断をする
社会福祉士は人の役に立ちたいと思って資格を取るので、優しい性格の人が多い印象があります。利用者さんから頼まれると、ついつい断れないということもあるでしょう。
しかし、冷たいように聞こえるかもしれませんが、全ての要求に応えていると、利用者さんに振り回されたり、支援者側が疲弊してしまうことがあります。どこまでの範囲ならやるのか、逆にやらないのか、判断できる人の方が社会福祉士に向いていると言えるでしょう。利用者さんに対して、そのことを分かりやすく、論理的に説明できる力も求められます。
ただ、この力は社会福祉士として働いていると見につくスキルでもあるので、今すぐできなくても全く問題はありません。社会福祉士として働くマインドとして、「何でもかんでもやります」というよりは、どこかで区切りがあった方が良いということです。
6,ストレス解消が上手な人
社会福祉士をはじめとする対人援助職が退職してしまう理由の一つが、人間関係や精神的な消耗(バーンアウト)であると言われています。
福祉や介護職の給与が平均よりも低めであるとはいえ、待遇面を理由に退職する人は、実は割合的にはそれほど多くないと言われています。(待遇面に関しては仕事に応募する際に求人票を見ており、元々それほど期待していないという求職者が多いので、当たり前と言えば当たり前です)
福祉の仕事に応募してくる求職者の中には、「人の役に立てる素敵な仕事」というイメージを持ってくる方がいます。もちろん、福祉職の一部として正しい面もあります。
しかし、対人援助職はそれほど綺麗ごとで済む仕事ではありません。社会資源や人手の不足により、理想的な支援ができないこともありますし、利用者さんとの相性が合わないこともあります。また、その中に福祉事業所や介護事業所の中での人間関係も絡まってきます。
ずっと続けられる趣味を持とう
そうした様々な要因がストレスとなり、社会福祉士を続けられず、退職してしまう場合があります。医療や福祉、営業や販売の仕事にも通ずると思いますが、人を相手にしている以上、仕事をしている上で一定のストレスはかかります。ですから、ストレス解消方法を持ち、休日はオン・オフの切り替えを上手にして、仕事のことを考えずに過ごせる人の方が社会福祉士として向いているでしょう。
今趣味がないという人は、社会福祉士の資格を取った後でもよいので、長く続けられる趣味を持たれることをお勧めします。
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7,自分の考えに合った職場を見つけることが大切
ここまで、社会福祉士に向いている人のタイプを5つに分けて紹介してきました。
どれか一つでも当てはまるものがあれば、社会福祉士の資格を目指す価値はあると思います。逆に当てはまらなかった項目に関しても、絶対に身に付けなければいけないということではありません。社会福祉士として働く上で、これから身に付けていくと働きやすいんだなぁという程度で受け止めて頂ければ幸いです。
また、福祉業界と一口に言っても様々な職種があります。直接支援の現場か、相談支援か。社会福祉法人か公務員か、などなど。
自分自身が社会福祉士に向いているかどうかという視点も大切ですが、自分に合った職場に出合えるかという観点も重要です。
社会福祉士として就職や転職する際には、ぜひ待遇面だけではなく、自分の考え方に合いそうな職場を見つけてくださいね。
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